編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ludvigsson J, Krisky D, Casas R, Battelino T, Castaño L, Greening J, Kordonouri O, Otonkoski T, Pozzilli P, Robert JJ, et al.: GAD65 antigen therapy in recently diagnosed type 1 diabetes mellitus. N Engl J Med. 2012; 366: 433-42. [PubMed]

1型糖尿病患者に対して自己抗原を投与し,免疫寛解を誘導しようとしたトライアルであるが,歴史的には1型糖尿病の自己抗原であるインスリンを投与しても,β細胞の機能維持に有効であったエビデンスはない。
GAD65に関しては,以前,ポジティブなデータが報告されたが,今回の検討では,その再現性は確認されなかった。【綿田裕孝

●目的 発症後間もない1型糖尿病患者において,グルタミン酸脱炭酸酵素65-kDアイソフォーム(GAD65)アルミ製剤(GAD-alum)により,β細胞機能が保持されるかを検討した。
主要アウトカムは,混合食負荷試験後の刺激血清Cペプチド値の変化。副次アウトカムは,HbA1c,平均1日インスリン用量,低血糖率,空腹時および最大刺激Cペプチド。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(フィンランド,フランス,ドイツ,イタリア,オランダ,スロベニア,スペイン,スウェーデン,英国の63施設),第III相。
●試験期間 登録期間は2008年8月~2009年11月。追跡期間は15ヵ月。
●対象患者 334例:10~20歳の1型糖尿病患者。
採用基準:空腹時Cペプチド値>0.3ng/mL,血清GAD65自己抗体検出,糖尿病罹病期間<3ヵ月。
●方法 糖尿病の診断後3ヵ月以内に,GAD-alum 4回投与群(111例),GAD-alum 2回投与+プラセボ2回投与群(108例),プラセボ4回投与群(115例)に無作為割付け。
・GAD-alumは20μgを投与。
・いずれの群も,1日目,30日目,90日目,270日目に投与。
●結果 刺激血清Cペプチド値の低下はすべての群で同等で,15ヵ月後の変化量に有意な群間差は認めなかった(p=0.10)。インスリン用量,HbA1c,低血糖率にも有意な群間差は認めなかった。
有害事象の頻度は少なく,いずれも軽度で,有意な群間差は認めなかった。
●結論 発症後間もない1型糖尿病患者において,GAD-alumは刺激血清Cペプチド低下を抑制せず,臨床的アウトカムの改善も認めなかった。