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Gallwitz B, Rosenstock J, Rauch T, Bhattacharya S, Patel S, von Eynatten M, Dugi KA, Woerle HJ: 2-year efficacy and safety of linagliptin compared with glimepiride in patients with type 2 diabetes inadequately controlled on metformin: a randomised, double-blind, non-inferiority trial. Lancet. 2012; 380: 475-83. [PubMed]
SU薬に比べ,DPP-4阻害薬の血糖コントロール力は弱い,との印象が持たれている。本試験は,平均BMI 30,平均体重86kg,metformin 1500mg/日以上の投与にて,平均HbA1c 7.7%の患者を対象とし,2年間にわたって血糖コントロール力を比較した臨床研究である。
linagliptin 5mg/日とglimepiride 2.7 mg/日の追加投与は,同等の血糖低下力を示した。また,linagliptin群では体重減少がみられ,かつ,低血糖発症頻度がglimepiride群に比べて低かった。【河盛隆造】
●目的 | metformin使用下でコントロール不良の2型糖尿病患者において,linagliptin(DPP-4阻害薬)とglimepiride(SU薬)の長期有効性と安全性を比較した。 一次エンドポイントは,104週後のHbA1cの変化。二次エンドポイントは,低血糖エピソードの発生,体重の変化。 |
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●デザイン | 無作為,二重盲検,パラレル,非劣性,実薬対照,多施設(16ヵ国[ブルガリア,デンマーク,フランス,ドイツ,香港,ハンガリー,インド,アイルランド,イタリア,オランダ,ノルウェー,ポーランド,南アフリカ,スウェーデン,英国,米国],209施設)。 |
●試験期間 | 試験期間は2008年2月12日~2010年12月21日。追跡期間は2年。 |
●対象患者 | 1551例:metformin±経口抗糖尿病薬(OAD)でコントロール不良の2型糖尿病患者。 登録基準:18~80歳,安定用量(≧1500mg/日)のmetformin使用,HbA1c値6.5~10.0%(metformin単独)または6.0~9.0%(メトホルミン+OAD),BMI≦40。 除外基準:過去6ヵ月間の心筋梗塞・脳卒中・一過性虚血発作,肝機能障害,過去3ヵ月間のrosiglitazone・pioglitazone・GLP-1アナログまたは作動薬・インスリン・抗肥満薬の使用。 |
●方法 | linagliptin(5mg/日,分1)群(776例),glimepiride(1~4mg/日,分1)群(775例)に無作為割付けし,metforminに追加投与。 |
●結果 | 解析患者(linagliptin群764例,glimepiride群755例)において,104週後の調整平均HbA1cの低下は両群で同等で(linagliptin群-0.16%,glimepiride群-0.36%),linagliptinのglimepirideに対する非劣性が示された(群間差0.20%,97.5%CI 0.09-0.30)。 linagliptin群はglimepiride群より,低血糖を認めた患者(58/776例[7%] vs 280/775例[36%],p<0.001),重篤な低血糖を認めた患者(1例[<1%] vs 125例[2%])ともに少なく,心血管イベントを認めた患者も有意に少なかった(12例 vs 26例;相対リスク0.46,95%CI 0.23-0.91,p=0.0213)。 |
●結論 | metformin使用下で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,linagliptin追加の長期HbA1c低下効果はglimepiride追加の場合と同等であることが示された。 |
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