編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Neeland IJ, Turer AT, Ayers CR, Powell-Wiley TM, Vega GL, Farzaneh-Far R, Grundy SM, Khera A, McGuire DK, de Lemos JA: Dysfunctional adiposity and the risk of prediabetes and type 2 diabetes in obese adults. JAMA. 2012; 308: 1150-9. [PubMed]

肥満者約700例において,画像で評価した肥満のタイプ別に糖尿病の発症リスクに差があるか否かを検討した研究である。その結果,BMI,総脂肪量,腹部皮下脂肪は,糖尿病発症との相関はなく,内臓脂肪量高値が有意なリスク因子であった。本研究の結果は,肥満者を一律に扱うのではなく,そのなかでよりリスクの高い者を見出し,効率よく介入すべきであるという道筋をつけたという意味で,重要な報告である。【西村理明

●目的 成人の肥満患者において,肥満における脂肪の分布の差異と前糖尿病および2型糖尿病発症リスクの相関を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 登録期間は2000~2002年。追跡期間は7.0年(中央値)。
●対象患者 732例:BMI≧30kg/m2で30~65歳の肥満患者。平均43歳,女性65%,非白人71%。
除外基準:糖尿病,心血管疾患。
●方法 二重エネルギーX線吸収測定法および磁気共鳴画像法(MRI)により評価した体組成,インスリン抵抗性の循環アディポカインおよびバイオマーカー,脂質異常症,炎症,CTおよびMRIで評価した無症候性動脈硬化および心臓の構造と機能について,糖尿病発症リスクとの相関を検討。
ベースラインの空腹時血糖が正常の512例では,前糖尿病発症リスクについても検討。
●結果 追跡期間の糖尿病発症は84例(11.5%)。
多変量解析において,糖尿病発症と関連する独立した因子は,ベースラインの内臓脂肪量高値(1SD[1.4kg]増加に伴うオッズ比[OR]2.4,95%CI 1.6-3.7),フルクトサミン高値(1SD[1.1μmol/L]上昇に伴うOR 2.0,95%CI 1.4-2.7),空腹時血糖高値(1SD[1.1mg/dL]上昇に伴うOR 1.9,95%CI 1.4-2.6),糖尿病の家族歴(OR 2.3,95%CI 1.3-4.3),収縮期血圧高値(10mmHg上昇に伴うOR 1.3,95%CI 1.1-1.5),追跡期間の体重増加(1kg増加に伴うOR 1.06,95%CI 1.02-1.10)であった。BMI,総脂肪量,腹部皮下脂肪は,糖尿病発症との相関を認めなかった。
ベースライン時に空腹時血糖が正常例である症例において,前糖尿病+糖尿病の発症率は39.1%で,糖尿病発症と関連する独立した因子は,ベースラインの内臓脂肪量,空腹時血糖値,インスリン,フルクトサミン,高齢,非白人,糖尿病の家族歴,追跡期間の体重増加であった(すべてp<0.05)。
●結論 成人の肥満患者において,過剰な内臓脂肪とインスリン抵抗性は前糖尿病および2型糖尿病の発症と相関を認めたが,一般的な肥満は相関を認めなかった。