編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年5月現在,1161報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Carnethon MR, De Chavez PJ, Biggs ML, Lewis CE, Pankow JS, Bertoni AG, Golden SH, Liu K, Mukamal KJ, Campbell-Jenkins B, et al.: Association of weight status with mortality in adults with incident diabetes. JAMA. 2012; 308: 581-90. [PubMed]

今回の成績は,糖尿病発症時の正常体重例は,過体重/肥満例よりも死亡率が高かったという予想外の結果を示した。しかしながら,以前にもTRIAD試験やPROactive 試験など,試験開始時に正常体重あるいは試験期間中に体重減少をきたした者では,過体重/肥満例に比し死亡率が高いとする報告がある。これらの試験では糖尿病の罹病期間が不明であるが,今回の検討では,糖尿病を新規に発症した症例に限って解析しているので,その信頼性が高いといえる。また糖尿病発症に伴う体重減少などの影響も除外できている。
さまざまな理由が考えられるが,正常体重で糖尿病を新規発症した症例では,何らかの基礎疾患があるのかもしれない。今回の検討では脂肪分布などの詳しい検討は行なわれていないが,ウエスト周囲径は総死亡と関連し,BMIは有意には関連しなかった。ただ,ウエスト周囲径を含めて解析してもBMIと総死亡との関連は依然として示されるので,筋肉量が少ないということが今回の知見には重要といえる。また,何らかの遺伝的背景が正常体重例と過体重/肥満例とでは異なるのかもしれない。いずれにしても,正常体重での糖尿病発症例は高リスク群として注意する必要性があるのかもしれない。【片山茂裕

●目的 糖尿病を新規発症した成人において,体重と死亡の相関を検討した。
主要アウトカムは,全死亡,心血管死,非心血管死。
●デザイン コホート研究の統合解析。
●試験期間 -
●対象患者 計2625例:新規発症糖尿病患者。
登録基準:>40歳,空腹時血糖値≧126mg/dLまたは経口血糖低下薬/インスリンの使用。
●方法 ARIC(1990~2006年),CHS(1992~2008年),CARDIA(1987~2011年),Framingham Offspring Study(1979~2007年),MESA(2002~2011年)のデータを用いた。
患者をBMIにより,正常体重(18.5~24.9kg/m2),過体重/肥満(≧25kg/m2)に分類し,アウトカムを比較。
●結果 糖尿病発症時の正常体重例は12%(9~21%)。追跡期間の死亡は449例(心血管死178例,非心血管死253例,未分類18例)。
正常体重例は過体重/肥満例に比し,全死亡発生率(284.8 vs 152.1件/10000人・年),心血管死発生率(99.8 vs 67.8件/10000人・年),非心血管死発生率(198.1 vs 87.9件/10000人・年)が高かった。
人口学的因子,血圧,脂質,腹囲,喫煙状況を調整後,正常体重例の過体重/肥満例に対するハザード比は,全死亡は2.08(95%CI 1.52-2.85),心血管死は1.52(95%CI 0.89-2.58),非心血管死は2.32(95%CI 1.55-3.48)であった。
●結論 糖尿病を発症した成人において,発症時の正常体重例は,過体重/肥満例よりも死亡率が高かった。