編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年1月現在,1144報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Harrison LB, Adams-Huet B, Raskin P, Lingvay I: β-cell function preservation after 3.5 years of intensive diabetes therapy. Diabetes Care. 2012; 35: 1406-12. [PubMed]

早期2型糖尿病患者を対象に,2種類の治療法で膵β細胞機能の変化を観察した研究であるが,両群とも血糖コントロールが良好であり,膵β細胞機能の悪化をほとんど認めなかった。この結果から,やはり血糖コントロールが膵β細胞機能保護に最も重要な因子であることが示唆された。【綿田裕孝

●目的 2型糖尿病患者において,インスリン+metforminまたは3剤経口療法(metformin,スルホニル尿素薬glyburide,インスリン抵抗性改善薬pioglitazone)による強化療法を3.5年実施後のβ細胞機能保持を比較した。
●デザイン 無作為,intention-to-treat。
●試験期間 登録期間は2003年11月~2005年6月。追跡期間は3.5年。
●対象患者 58例:治療歴のない新規診断2型糖尿病患者。21~70歳。
除外基準:1型糖尿病関連抗体,HbA1c<7%,血清クレアチニン>1.5mg/dL(男性)または>1.4mg/dL(女性),肝酵素の正常上限2倍以上の上昇,重度冠動脈疾患,ステージIII~IVの心不全,妊娠または非避妊,未治療の増殖性糖尿病網膜症,致死的疾患,飲酒量≧2杯/日,6ヵ月以内の違法薬物使用。
●方法 全例にインスリン+metforminを3ヵ月間投与後,インスリン+metformin群(29例),3剤経口療法群(29例)に無作為割り付け。
割付け時,6,12,18,30,42ヵ月後に混合食負荷試験を行い,β細胞機能を評価。
●結果 3.5年後の試験完遂率は,インスリン+metformin群83%,3剤経口療法群72%で,コンプライアンス率は,それぞれ87±20%,90±15%であった。
β細胞機能に有意な変化は認めず,3.5年後のC-ペプチドの曲線下面積(AUC)またはC-ペプチド/グルコース比のAUCに有意な群間差はなかった(それぞれp=0.14,p=0.7)。
血糖コントロールは両群ともに良好で,試験終了時のHbA1cは,インスリン+metformin群は6.35±0.84%,3剤経口療法群は6.59±1.94%であった(p=0.54)。
体重は両群ともに経時的に上昇したが,有意な群間差は認めなかった(インスリン+metformin群:102.2±24.9→106.2±31.7kg,3剤経口療法群:100.9±23.0→110.5±31.8kg;p=0.35)。
低血糖イベントは経時的に有意に低下し(p=0.01),有意な群間差は認めなかった(p=0.83)。
●結論 2型糖尿病患者において,インスリン+metforminまたは3剤経口療法による早期の強化治療を行うことで,β細胞機能が3.5年間は保持された。