編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Reed M, Huang J, Graetz I, Brand R, Hsu J, Fireman B, Jaffe M: Outpatient electronic health records and the clinical care and outcomes of patients with diabetes mellitus. Ann Intern Med. 2012; 157: 482-9. [PubMed]

米国では,certified electronic health records(EHRs)が2015年までに導入される予定という。その導入にはインセンティブやペナルティが伴うようである。こうした状況のもと,300万人が加入する保険会社が契約する17の医療センターや45施設でのEHRsを用いた検討である。この結果はEHRs というITを用いることにより,情報の利用が高まり,オーダリングなどの利便性が改善し,検査を迅速に行うようになったことが示唆される。特に,今回調べられたHbA1cやLDL-Cを例にとると,コントロールの悪い一群で検査回数が頻回となり,結果として治療成績が向上することや,逆にコントロールの良い一群では検査回数が減少することが示された。医療におけるITの利用が治療の質を向上させ,臨床的アウトカムを改善することを期待させる。【片山茂裕】   

●目的 糖尿病患者において,市販の認定電子カルテ(EHRs)の導入と臨床治療プロセスおよび糖尿病コントロールとの相関を検討した。
●デザイン 多施設(17施設),擬似実験的デザイン。
●試験期間 登録期間は2003年。試験期間は2004~2009年。
●対象患者 169,711例:糖尿病患者。
●方法 2005~2008年に外来で市販の認定EHRsを導入。薬物治療強化,HbA1c,LDL-C検査,LDL-C値への影響を検討。
●結果 EHRs導入により,HbA1c≧9%の場合の治療強化(オッズ比1.10,95%CI 1.05-1.15)またはLDL-C 100~129mg/dLの場合の治療強化(オッズ比1.06,95%CI 1.00-1.12)が有意に改善し,HbA1cとLDL-Cの1年以内の再評価回数が増加し(とくにHbA1c≧9%またはLDL-C≧130mg/dLの患者で著明),HbA1c<7%またはLDL-C<100mg/dLの患者における90日以内の再評価回数が減少した。また,EHRs導入により,HbA1cとLDL-Cが有意に低下し,とくにLDL-C≧130mg/dLの患者におけるLDL-C低下度が大きかった(-2.19mg/dL,p<0.001)。
●結論 糖尿病患者において,市販の認定EHRs導入により,薬物治療強化,モニタリング,糖尿病コントロールが改善し,とくに血糖コントロール不良患者において効果が大きかった。