編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Dehal AN, Newton CC, Jacobs EJ, Patel AV, Gapstur SM, Campbell PT: Impact of diabetes mellitus and insulin use on survival after colorectal cancer diagnosis: the Cancer Prevention Study-II Nutrition Cohort. J Clin Oncol. 2012; 30: 53-9. [PubMed]

本研究は,結腸直腸癌患者において,2型糖尿病の有無が全死亡,心血管疾患による死亡,結腸直腸癌に影響を及ぼすかの検討である。2型糖尿病を有すると,全死亡,心血管疾患による死亡,結腸直腸癌による死亡のリスクいずれもが有意に高かったが,とくに心血管疾患で顕著であった。またインスリン使用例では,心血管疾患による死亡のリスクがさらに高かった。
本結果は,癌患者においても,2型糖尿病を有する場合には心血管疾患の予防対策を十分に講じる必要があることを示している。【西村理明

●目的 結腸直腸癌(CRC)患者において,2型糖尿病と生存期間の関連を検討し,関連に対する性別,インスリン治療,2型糖尿病の罹病期間,インスリン使用の影響を検討した。
●デザイン プロスペクティブ,コホート。
●試験期間 登録期間は1992~1993年。追跡期間は平均6.8年。
●対象患者 2278例:CPS-Ⅱ研究(下部NOTE参照)参加の非転移性CRC患者。40~93歳。
●方法 生存状況と死因を追跡し,Cox比例ハザード回帰モデルを用いて,2型糖尿病の多変量調整相対リスク(RR)と95%信頼区間(CI)を算出。
●結果 CRC診断の前に2型糖尿病を有していたのは393例(男性259例,女性134例)。
追跡期間の死亡は842例(うち,CRCによる死亡377例,心血管疾患[CVD]による死亡152例)。
2型糖尿病を有するCRC患者は,2型糖尿病を有さないCRC患者に比し,全死亡リスク(RR 1.53,95%CI 1.28-1.83),CRCによる死亡リスク(RR 1.29,95%CI 0.98-1.70),CVDによる死亡リスク(RR 2.16,95%CI 1.44-3.24)が高かった。このリスク上昇に,性別,2型糖尿病の罹病期間,インスリン使用の影響は認められなかった。
インスリンを使用している2型糖尿病患者は,非2型糖尿病患者に比し,全死亡リスク(RR 1.68,95%CI 1.22-2.31)とCVDによる死亡リスク(RR 3.87,95%CI 2.12-7.08)が高いが,CRCによる死亡リスクの上昇は認められなかった(RR 0.58,95%CI 0.28-1.19)。
●結論 2型糖尿病を有するCRC患者は,2型糖尿病を有さないCRC患者に比し,全死亡リスクが高く,とくにCVDによる死亡リスクの上昇が著明であった。