編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Farkouh ME, Domanski M, Sleeper LA, Siami FS, Dangas G, Mack M, Yang M, Cohen DJ, Rosenberg Y, Solomon SD, et al.; FREEDOM Trial Investigators : Strategies for multivessel revascularization in patients with diabetes. N Engl J Med. 2012; 367: 2375-84. [PubMed]

糖尿病患者における多枝冠動脈病変に対する治療は,冠動脈バイパス術のほうが,ステントを用いたPCI治療よりも予後が優れていることは,これまでの研究からも明らかにされていた。
本研究の結果,十分なスタチンによる薬物治療を行ったうえで,薬剤溶出ステントを用いる最新の治療を用いても,バイパス術のほうが予後がよいことが示され,糖尿病患者における多枝冠動脈病変に対してはバイパス術を標準治療とすべきことが確認された。【西尾善彦

●目的 多枝冠動脈病変を有する糖尿病患者において,冠動脈バイパス形成術(CABG)と薬剤溶出ステントを用いた経皮的冠インターベンション(PCI)を比較した。
一次アウトカムは,全死亡+非致死的心筋梗塞(MI)+非致死的脳卒中。
●デザイン 無作為,多施設(140施設),intention-to-treat。
●試験期間 登録期間は2005年4月~2010年4月。追跡期間は2年以上(生存者における中央値3.8年)。
●対象患者 1900例:多枝冠動脈病変を有する糖尿病患者。平均63.1±9.1歳,女性29%。3枝病変83%。
●方法 PCI群(953例),CABG群(947例)に1:1に無作為割り付け。
PCIには薬剤溶出ステントを使用。
全例に,LDL-C<70mg/dL,血圧<130/80mmHg,HbA1c<7%を目標として,現在の推奨治療を実施。
●結果 5年間の一次アウトカム発生率は,PCI群26.6%,CABG群18.7%(p=0.005)。
5年間の個別のアウトカム発生率は,PCI群はCABG群より,全死亡(16.3% vs 10.9%,p=0.049)と非致死的MI(13.9% vs 6.0%,p<0.001)が多く,非致死的脳卒中(2.4% vs 5.2%,p=0.03)は少なかった。5年間の心血管死発生率には有意差を認めなかった(10.9% vs 6.8%,p=0.12)。
●結論 多枝冠動脈病変を有する糖尿病患者において,CABGはPCIに比し,全死亡と心筋梗塞の発生率を有意に低下したが,脳卒中の発生率は高かった。