編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Fox CS, Matsushita K, Woodward M, Bilo HJ, Chalmers J, Heerspink HJ, Lee BJ, Perkins RM, Rossing P, Sairenchi T, et al.; Chronic Kidney Disease Prognosis Consortium : Associations of kidney disease measures with mortality and end-stage renal disease in individuals with and without diabetes: a meta-analysis. Lancet. 2012; 380: 1662-73. [PubMed]

糖尿病腎症はCKDの25%を占め,米国の全人口に占める割合は,1998年の2.2%から2008年の3.3%と急増している。100万人を超す今回のメタ解析では,従来から知られているように,糖尿病患者では非糖尿病患者に比し,死亡リスクが1.2~1.9倍高かった。しかしながら,eGFRあるいはACRという腎機能でみると,糖尿病例と非糖尿病例でeGFR低下およびACR上昇に伴う死亡リスクの上昇は同等であった。このことから,糖尿病の有無に関わらず,腎機能の程度や腎疾患の有無が臨床的アウトカムに重要な予測因子であることが再確認されたといえる。【片山茂裕

●目的 推算糸球体濾過量(eGFR),アルブミン尿,死亡または腎アウトカムの関連を糖尿病の有無別に検討した。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間 解析実施期間は2011年3月~2012年6月。
●対象患者 1,024,977例:糖尿病患者128,505例,非糖尿病患者896,472例。
●方法 30の一般集団および心血管疾患の高リスクコホート,13の慢性腎臓病(CKD)コホートのデータを使用。
Cox比例ハザードモデルを用いて,死亡または末期腎疾患(ESRD)とeGFRおよびアルブミン尿の相関のハザード比(HR)を糖尿病の有無別に算出。
●結果 全死亡データの得られた一般集団および高リスクコホートにおいて,平均8.5±5.0年間に75,306例が死亡。心血管死データが得られた23研究において,平均9.2±4.9年間に21237例が心血管疾患により死亡。
一般集団および高リスクコホートにおいて,eGFRおよびACRにかかわらず,糖尿病例は非糖尿病例に比し,死亡リスクが1.2~1.9倍高かった。
一方,糖尿病例と非糖尿病例の両方にeGFRとACRの基準値(eGFR 95mL/分/1.73ms2,ACR 5mg/g)を設定すると,基準値からのeGFR低下およびACR上昇に伴う死亡リスクの上昇は糖尿病例と非糖尿病例で同等となり,eGFR 95mL/分/1.73m2に対するeGFR 45mL/分/1.73m2の全死亡のHRは,糖尿病患者1.35(95%CI 1.18-1.55),非糖尿病例1.33(95%CI 1.19-1.48),ACR 5mg/gに対するACR 30mg/gの全死亡のHRは,糖尿病例1.50(95%CI 1.35-1.65),非糖尿病例1.52(95%CI 1.38-1.67)であった。全体的交互作用は有意ではなかった。CKDコホートにおけるESRDリスクについても同様であった。
●結論 糖尿病例では非糖尿病例よりも死亡およびESRDリスクが高いが,eGFRおよびACRによる死亡やESRDの相対リスクは糖尿病例と非糖尿病例で同等であったことから,臨床アウトカムの予測因子としての腎疾患の重要性が示された。