編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Sone H, Tanaka S, Tanaka S, Suzuki S, Seino H, Hanyu O, Sato A, Toyonaga T, Okita K, Ishibashi S, et al.; Japan Diabetes Complications Study Group : Leisure-time physical activity is a significant predictor of stroke and total mortality in Japanese patients with type 2 diabetes: analysis from the Japan Diabetes Complications Study (JDCS). Diabetologia. 2013; 56: 1021-30. [PubMed]

日本人2型糖尿病患者において,余暇の身体活動度が,脳卒中のみならず死亡リスクとも関連することを明らかにした重要な研究である。さらに,脳卒中リスクの低下は心血管リスクの低下によりある程度説明できたのに対し,死亡リスクの低下はそれでは説明できず,その点も興味深い。【西尾善彦

●目的 日本人の2型糖尿病患者において,余暇の運動(LTPA)と心血管イベントおよび全死亡の関連を検討した。
アウトカムは,冠動脈心疾患(CHD),脳卒中,全死亡。
●デザイン プロスペクティブ,多施設(日本59施設),コホート。
●試験期間 登録期間は1995年1月~1996年3月。追跡期間は8.05年(中央値)。
●対象患者 1702例:日本人の2型糖尿病患者。男性901例(平均58.2±7.0歳),女性801例(平均58.9±6.8歳)。HbA1c(JDS値)≧6.5%。
●方法 標準的な質問表を用いて,LTPAおよび職業を含む包括的なライフスタイルを調査。LTPAにより,患者を三分位に分類(第1三分位551例:≦3.7MET時/週,第2三分位589例:3.8~15.3MET時/週,第3三分位562例:≧15.4MET時/週)。Cox回帰分析により,調整ハザード比(HR)と95%CIを算出。
●結果 年齢,性別,糖尿病の罹病期間を調整後,LTPAの第1三分位に対する第3三分位のHRは,脳卒中と全死亡で低下した(脳卒中0.55[95%CI 0.32-0.94,p=0.03],死亡0.49[95%CI 0.26-0.91,p=0.02])が,CHDでは低下しなかった(CHD 0.77[95%CI 0.48-1.25,p=0.29])。さらに,ライフスタイルまたは食事や血清脂質を含む臨床的変数で調整後は,脳卒中リスクの低下の有意性は消失した(HR 0.56,p=0.10)。全死亡リスクは,それらの変数とは独立しており(HR 0.46,p=0.04),全死亡リスクの低下は心血管疾患リスクの低下にはあまり寄与しないと考えられた。
●結論 日本人の2型糖尿病患者において,≧15.4 MET時/週のLTPAは脳卒中リスクを有意に低下させ,これは心血管リスク因子の改善が関与すると考えられた。≧15.4 MET時/週のLTPAによる全死亡リスクの有意な低下は,心血管リスク因子や心血管イベントとは独立していた。これらの結果は,東アジアと欧米の糖尿病患者の違いを示し,東アジアの糖尿病治療ではこうした違いを考慮すべきことが示唆された。