編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hirsch IB, Bode B, Courreges JP, Dykiel P, Franek E, Hermansen K, King A, Mersebach H, Davies M: Insulin degludec/insulin aspart administered once daily at any meal, with insulin aspart at other meals versus a standard basal-bolus regimen in patients with type 1 diabetes: a 26-week, phase 3, randomized, open-label, treat-to-target trial. Diabetes Care. 2012; 35: 2174-81. [PubMed]

insulin degludec/insulin aspart配合剤群の1日あたりの注射回数は3回であるが,insulin detemir+insulin aspar群では26%がinsulin detemirを1日2回注射していたので合計注射回数は1日5回であった。このことを考慮すると,患者の負担は前者のほうが少ないといえる。なお,QOLに関して群間差は認められなかった。
insulin degludec/insulin aspartの配合剤は,その30%がinsulin aspartである。多くは夕食時にこの製剤を投与していたが,夕食後の血糖コントロールに要するinsulin aspartと基礎インスリン需要量がこの配合比にうまく合えば便利な製剤であろう。【景山茂】

●目的 insulin degludec/insulin aspart(IDegAsp)配合剤+insulin aspart(IAsp)併用療法と,insulin detemir(IDet)+IAspによるベーサルボーラス療法の有効性と忍容性を比較した。
一次エンドポイントは26週後のA1Cの変化。
●デザイン ランダム,オープンラベル,多施設(9ヵ国,79施設),パラレル,two-arm,treat-to-target。
●試験期間 2009年8月5日~2010年5月31日。追跡期間は26週。
●対象患者 548例:18歳以上の1型糖尿病患者。
登録基準:罹病期間12ヵ月以上,A1C 7.0~10.0%,BMI≦35.0,12ヵ月以上のインスリン治療(ベーサルボーラス,プレミックス,セルフミックス)。
除外基準:3ヵ月以内の上記以外のインスリン治療または1日2回の基礎インスリン治療,糖代謝に影響する併用薬の変更の予定,重度低血糖の再発または無自覚性低血糖症,増殖性網膜症または治療を要する黄斑変性症,妊娠,授乳,腎・肝障害,心血管疾患,がん,その他試験結果に影響を及ぼすと判断された症状。
●方法 IDegAsp群とIDet群に2:1無作為割り付け。
IDegAsp群では,IDegAsp(100 units/mL,3mL)をメインの食事時に投与し,IAsp(100 units/mL,3mL)を他の食事時に投与。IDegAspの投与は他の時刻のメインの食事に変更することも可とした。
IDet群では,IDet(100 units/mL,3mL)を夕食時または就寝時に毎日同時刻に投与し,IAsp(100 units/mL,3mL)を他の食事時に投与。コントロールが不十分な場合は,朝食時のIDet投与を追加した。
●結果 A1Cの改善率はIDegAsp群0.75%,IDet群0.70%であり,IDetに対するIDegAspの非劣性が証明された(群間差 -0.05%,95%CI -0.18 to 0.08)。IDegAsp群とIDet群で,重度の低血糖(0.33 vs 0.42エピソード/患者-年)および血漿グルコース<3.1 mmol/Lの低血糖(39.17 vs 44.34エピソード/患者-年)に有意な差はなかったが,夜間の低血糖はIDet群よりもIDegAsp群で少なかった(5.72 vs 3.71エピソード/患者-年,P<0.05)。体重増加はIDegAsp群よりもIDet群で少なかった(2.3 vs 1.3 kg,P<0.05)。全インスリン量はIDet群よりもIDegAsp群で13%少なかった(P<0.0001)。
QOL,検査値,身体検査,バイタルサイン,心電図,眼底検査および有害事象に群間差は認められなかった。
●結論 IDegAsp+IAspベーサルボーラス療法は, IDet+IAspベーサルボーラス療法に非劣性であり,全体の血糖コントロールを改善し,夜間低血糖のリスクを低下させ,注射回数を減少させた。