編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年7月現在,1168報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Purnell JQ, Zinman B, Brunzell JD; DCCT/EDIC Research Group : The effect of excess weight gain with intensive diabetes mellitus treatment on cardiovascular disease risk factors and atherosclerosis in type 1 diabetes mellitus: results from the Diabetes Control and Complications Trial/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications Study (DCCT/EDIC) study. Circulation. 2013; 127: 180-7. [PubMed]

われわれは,日本人耐糖能異常例の頸動脈エコー法によるIMTは同年代の2型糖尿病患者と同程度であり,耐糖能正常例と有意な差があることを発表した。そのリスク因子の解析から,BMIの軽度上昇,拡張期高血圧,トリグリセリド上昇,高インスリン血漿が勢揃いしていることを認め,“bad companios”と表してきた(Diabetologia. 1995;38:585-91)。
本論文は,現在の米国とカナダの1型糖尿病患者の大半が,生活習慣病を合併していること,および動脈硬化症の進展予知因子・サロゲートエンドポイントであるIMTを増加させているのが,上記のbad companionsであることを明確にしたものである。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者において,強化治療による過度の体重増加と動脈硬化性疾患の関連を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 DCCTの追跡期間は平均6.5年。
●対象患者 1015例:内膜-中膜壁肥厚(IMT)評価を行った1型糖尿病患者。うち925例は冠動脈カルシウム(CAC)スコアも評価。
●方法 DCCTで強化治療群または標準治療群に無作為割り付けされた1型糖尿病患者を,EDICで追跡。
EDIC追跡中のIMTとCACスコアを評価。
強化治療群の患者を,DCCT期間中のBMIの変化により,四分位に分類。
●結果 過度の体重増加を認めた患者(BMIの変化≧4.39kg/m2)は,体重増加が最小限の患者(BMIの変化≦0.95kg/m2)に比し,BMIと腹囲が高値で,インスリン必要量が多く,IMTが5%増加し(EDIC 1年目:p<0.001,6年目:p=0.003),CACスコアが高い傾向(オッズ比1.55,95%CI 0.97-2.49,p=0.07)がみられた。
メタボリックシンドロームの腹囲と血圧の基準に合致するDCCT参加患者は,EDIC 1年目と6年目のIMTが高く(p=0.02~<0.001),HDL基準に合致する患者は,追跡中のCACスコアが高かった(オッズ比1.6,95%CI 1.1-2.4,p=0.01)。
糖尿病,高血圧,脂質異常症の家族歴が多いほど,強化治療によるIMT増加が大きいが,標準治療ではIMT増加を認めなかった。
●結論 1型糖尿病患者において,強化治療による過度の体重増加により,中心性肥満,インスリン抵抗性,脂質異常症,血圧,広範な動脈硬化性疾患が増加した。