編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Coca SG, Ismail-Beigi F, Haq N, Krumholz HM, Parikh CR: Role of intensive glucose control in development of renal end points in type 2 diabetes mellitus: systematic review and meta-analysis intensive glucose control in type 2 diabetes. Arch Intern Med. 2012; 172: 761-9. [PubMed]

腎関連アウトカムに対する標準血糖コントロール療法と強化血糖コントロール療法の効果を調べた貴重なメタ解析である。微量アルブミン尿やマクロアルブミン尿などの代替腎エンドポイントは,リスク比がそれぞれ0.86,0.74と有意に低下した。しかしながら,臨床的な腎エンドポイントである血清クレアチニン濃度の2倍化,ESRD,腎死では有意な低下が得られなかった。本解析に用いられた7試験の平均観察期間は2~10.7年であり,強化血糖コントロール療法の期間が短かすぎるのか,HbA1Cの低下度が小さすぎるのか,種々の議論が残るところである。いずれにしても,微量アルブミン尿やマクロアルブミン尿などの代替腎エンドポイント(サロゲートマーカー)が,臨床的な腎エンドポイント(血清クレアチニン濃度の2倍化,ESRD,腎死)につながるのは誰もが認める事実であり,強化血糖コントロール療法の臨床的意義を否定するものではない。腎症予防あるいは進展抑制の新薬の開発には,臨床的な腎エンドポイントにつながる良い代替腎エンドポイント(サロゲートマーカー)が求められているといえる。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,腎関連アウトカムに対する強化血糖コントロール療法の効果を標準療法と比較した。
●デザイン システマティックレビュー,メタアナリシス。
●試験期間 追跡期間は中央値2~11.1年。
●対象患者 28,065例:成人2型糖尿病患者。
●方法 2型糖尿病患者において,強化血糖コントロール療法と標準療法の代替腎エンドポイント(微量アルブミン尿,マクロアルブミン尿)と臨床的腎エンドポイント(血清クレアチニンの2倍化,末期腎疾患[ESRD],腎死)を比較した無作為化比較試験(1950年1月1日~2010年12月31日に発表)を検索。
●結果 7試験を対象とした(Kumamoto,UKPDS 33,UKPDS 34,VA Diabetes Feasibility Trial,ACCORD,ADVANCE,VADT)。
標準療法に比べ,強化血糖コントロール療法により,微量アルブミン尿(リスク比[RR]0.86,95%CI 0.76-0.96,p=0.009),マクロアルブミン尿(RR 0.74,95%CI 0.65-0.85,p=0.001),血清クレアチニンの2倍化(RR 1.06,95%CI 0.92-1.22,p=0.44)のリスクは低下したが,ESRD(RR 0.69,95%CI 0.46-1.05,p=0.09),腎死(RR 0.99,95%CI 0.55-1.79,p=0.98)のリスク低下はみられなかった。
メタ回帰では,試験中の強化血糖コントロール療法と標準療法のHbA1Cの差が大きいほど,微量アルブミン尿とマクロアルブミン尿のリスク低下度が大きかった。
統合累積発生率は,代理腎エンドポイントの微量アルブミン尿(23%),マクロアルブミン尿(5%)に比べ,臨床的腎エンドポイントの血清クレアチニンの2倍化(<4%),ESRD(<1.5%),腎死(<0.5%)で低かった。
●結論 2型糖尿病患者において,強化血糖コントロール療法により代替腎エンドポイントのリスクが低下したが,臨床的腎エンドポイントの有意なリスク低下は認めなかった。