編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Weber MA, Jamerson K, Bakris GL, Weir MR, Zappe D, Zhang Y, Dahlof B, Velazquez EJ, Pitt B: Effects of body size and hypertension treatments on cardiovascular event rates: subanalysis of the ACCOMPLISH randomised controlled trial. Lancet. 2013; 381: 537-45. [PubMed]

ACCOMPLISHの対象患者は,平均BMIが約31 kg/m2,約12%が黒人であった。本論文に述べられているように,肥満と非肥満とでは高血圧の成因が異なるのかもしれない。
一方,これまで心血管イベントに対する利尿薬の抑制効果は,ALLHATをはじめとするいくつかの臨床試験により検証されている。ALLHATでは,利尿薬(chlorthalidone)はACE阻害薬(lisinopril)およびCa拮抗薬(amlodipine)と比較して差はなかった。この試験における対象患者の平均BMIはおよそ30 kg/m2であり,約30%は黒人であった。hydrochlorothiazideとchlorthalidoneのちがいもあるのかもしれない。ACCOMPLISHと同様にbenazepril+hydrochlorothiazideとbenazepril+amlodipineを比較したGUARD研究では,アルブミン尿の改善効果はbenazepril+hydrochlorothiazide群で優っていた。
日本人高血圧患者のBMIは,JATOS研究では23.6 kg/m2,CASE-J研究では24.5~24.6 kg/m2であった。日本人と欧米人とでは肥満の基準も異なり,本研究成績の日本人への適用は慎重であるべきであろう。【景山茂】

●目的 高血圧患者において,降圧治療の種類別の心血管アウトカム改善効果を,BMI別に検討した。ACCOMPLISHのサブ解析。
一次エンドポイントは,心血管死+非致死的心筋梗塞または脳卒中。
●デザイン 無作為化比較試験のサブ解析。
●試験期間 追跡期間は平均35.7ヵ月。
●対象患者 11,482例:心血管イベントリスクの高い高血圧患者。
●方法 ACCOMPLISHでは,ACE阻害薬benazepril/利尿薬hydrochlorothiazide合剤群,benazepril/Ca拮抗薬amlodipine合剤群に無作為割り付け。
本解析では,BMIにより患者を,肥満(BMI≧30,5,709例),過体重(BMI≧25~<30,4,157例),正常体重(BMI<25,1,616例)に分類。年齢,性別,糖尿病,心血管イベント既往,脳卒中,慢性腎臓病を調整後,一次エンドポイント発生率を比較。
●結果 benazepril/hydrochlorothiazide合剤群における一次エンドポイント発生率(/1000人-年)は,正常体重例30.7,過体重例21.9,肥満例18.2で有意差を認めたが(p=0.0034),benazepril/amlodipine合剤群では,正常体重例18.2,過体重例16.9,肥満例16.5で有意差を認めなかった(p=0.9721)。
肥満例では,benazepril/hydrochlorothiazide合剤群とbenazepril/amlodipine合剤群で一次エンドポイントの発症率が同等であったが(ハザード比0.89,95%CI 0.71-1.12,p=0.3189),過体重例(ハザード比0.76,95%CI 0.59-0.94,p=0.0369)と正常体重例(ハザード比0.57,95%CI 0.39-0.84,p=0.0037)では,benazepril/amlodipine合剤群で発症率が低かった。
●結論 高血圧患者において,正常体重例と肥満例の治療機序は異なることが示唆された。benazepril/hydrochlorothiazide合剤は,肥満例に比し正常体重例での心血管保護効果が低かった。一方,benazepril/amlodipine合剤は,benazepril/hydrochlorothiazide合剤に比し,BMIによる効果の差を認めず,非肥満患者における心血管保護効果に優れていた。