編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Novak M, Björck L, Giang KW, Heden-Ståhl C, Wilhelmsen L, Rosengren A: Perceived stress and incidence of Type 2 diabetes: a 35-year follow-up study of middle-aged Swedish men. Diabet Med. 2013; 30: e8-16. [PubMed]

本研究は,スウェーデン人男性7251例に,自己認識ストレスの調査を行い,その後35年間追跡して糖尿病発症との関連を検討したものである。
その結果,ベースライン時のストレス度が高いほど,観察期間における糖尿病発症リスクが高いことが明らかとなった。ストレスによる影響は社会経済的因子やBMIとは独立して糖尿病発症に影響していることから,今後,糖尿病発症予防において介入すべき重要な因子としてとらえる必要がある。【西村理明

●目的 スウェーデンの中年男性住民において,ベースライン時の自己認識ストレスと糖尿病発症の関連を,35年以上の長期追跡で検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 ベースライン評価期間は1970年1月~1973年3月。追跡期間は35年。
●対象患者 7251例:糖尿病,冠動脈疾患,脳卒中の既往のないスウェーデンの男性住民。47~56歳。
●方法 自己認識の心理的ストレスを,択一形式の質問票により評価。ストレスを「緊張,怒り,不安,職場や家庭に起因する睡眠障害」と定義。選択肢はストレスを感じた期間ごとに6点のスケールで評価し,回答を「ストレスなし,または低ストレス」(1~2点),「断続的ストレス」(3~4点),「永続的ストレス」(5~6点)に分類。
退院記録または死亡届により,一次的診断または二次的診断としての糖尿病発症を特定。Cox比例ハザード回帰により,ストレスと糖尿病,および他の共変量(年齢,社会経済的状況,身体活動,喫煙,アルコール乱用,肥満,収縮期血圧,降圧治療,血清コレステロール)の関連を検討。
●結果 追跡期間中に899例が糖尿病を発症し,粗罹患率は5.2件/1000人年であった。ベースライン時に職場または家庭による永続的ストレスを有していたのは15.5%であった。年齢と死亡の競合リスクを調整後,糖尿病の35年条件付き推定発症率は,永続的ストレス例42.6%,断続的ストレス例31.0%,無ストレス例31.2%であった。年齢調整後のCox回帰分析において,糖尿病リスクは,無ストレス例(対照)または断続的ストレス例(ハザード比[RR]1.09[95% CI 0.94-1.27])に比べ,永続的ストレス例で有意に高かった(RR 1.52[95%CI 1.26-1.82])。共変量を調整後,ストレスと糖尿病の関連はわずかに減弱したが,有意差は維持された(RR 1.45[95%CI 1.20-1.75])。二次的診断から一次的診断を分けて評価すると,永続的ストレスに関連した糖尿病の超過リスクは,年齢調整モデル(RR 1.50[95%CI 1.09-2.06])および多変量調整モデル(RR 1.42[95%CI 1.02-1.96])においても有意差を維持した。
●結論 自己認識の永続的ストレスは,糖尿病の重要な長期にわたる予測因子であり,社会経済的状況やBMIなど従来の2型糖尿病のリスク因子とは独立したものであった。