編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Willette AA, Xu G, Johnson SC, Birdsill AC, Jonaitis EM, Sager MA, Hermann BP, La Rue A, Asthana S, Bendlin BB: Insulin resistance, brain atrophy, and cognitive performance in late middle-aged adults. Diabetes Care. 2013; 36: 443-9. [PubMed]

インスリン抵抗性と脳萎縮に関する断面的なデータは多数あるが,脳萎縮の進行に関するものは少ない。
本研究では,ベースラインのインスリン抵抗性が,その後の脳萎縮と関連することを示している。このことは,インスリン抵抗性への介入により,脳萎縮を予防できる可能性も示唆する。【綿田裕孝

●目的 中年の健康人において,インスリン抵抗性とアルツハイマー病感受性脳領域の灰白質容積および認知機能の関連を検討した。
●デザイン 縦断研究。
●試験期間 追跡期間は4年。
●対象患者 372例:WRAPに参加した40~65歳の健康人。平均57.66歳。男性102例,女性270例。
除外基準:アルツハイマー病の家族歴,父親または母親にアルツハイマー病が疑われる場合。
●方法 ベースラインのインスリン抵抗性指数(HOMA-IR),灰白質容積,Rey聴覚性言語学習検査(RAVLT)を評価。121例(男性45例,女性76例,平均60.71±6.18歳)を対象に,4年後も評価。
ボクセルベース形態評価およびテンソルベース形態評価により,インスリン抵抗性とベースラインの脳容積および進行性灰白質萎縮の関連を検討。
●結果 インスリン抵抗性の増大は,ベースラインおよび4年後の内側側頭葉,前頭前皮質,楔前部,他の頭頂回における灰白質容積減少の予測因子であった。region-of-interest分析では,ボクセルワイズ分析とは独立して,インスリン抵抗性の増大が内側側頭葉萎縮と関連することが示された。萎縮は,RAVLTにおける認知障害に相当した。インスリン抵抗性の増大により予測される側頭葉萎縮は,RAVLTスコア不良と有意に関連した。
●結論 中年の健康人において,無症候性のインスリン抵抗性は,早期アルツハイマー病に影響する脳領域の進行性萎縮と関連することが示された。またインスリン抵抗性は,内側側頭葉の灰白質容積を減少することにより,一時的情報の符号化能にも影響すると考えられる。