編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hong J, Zhang Y, Lai S, Lv A, Su Q, Dong Y, Zhou Z, Tang W, Zhao J, Cui L, et al.; SPREAD-DIMCAD Investigators : Effects of metformin versus glipizide on cardiovascular outcomes in patients with type 2 diabetes and coronary artery disease. Diabetes Care. 2013; 36: 1304-11. [PubMed]

本検討ではglipizideに比べmetforminで主要心血管イベントが抑制されたが,metformin群とglipizide群の間で差が認められたのは,BMIとウエストサイズのみであり,他の指標には差がなかった。試験終了時のHbA1c値はglipizide群とmetformin群で同等であったが,しかし両薬剤の血糖改善作用の機序はまったく異なることから,その差異が主要心血管イベントの発症率の差につながった可能性がある。今後は,その理由についての詳細な検討がなされると予想される。【河盛隆造

●目的 冠動脈疾患(CAD)既往のある中国人2型糖尿病患者において,主要心血管イベントに対するmetforminとglipizideの長期有効性を比較した。
主要エンドポイントは,心血管イベントの再発(心血管死,全死亡,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,動脈血行再建術)。副次エンドポイントは,狭心症の新規発症または増悪,心不全の新規発症または増悪,重大な不整脈の新規発症,末梢血管イベントの新規発症。
●デザイン 無作為,二重盲検,多施設(中国15施設),intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は2004年6月1日~2007年7月30日。追跡期間は5.0年(中央値)。
●対象患者 304例:CAD既往のある中国人2型糖尿病患者。平均63.3歳(範囲36~80歳)。
除外基準:重度肝機能障害,腎機能障害,重度心不全,精神疾患,重度感染症,重度貧血,好中球減少症,他の重度器質性心疾患,妊娠または授乳,試験薬のアレルギー,インスリン使用,最近の薬剤またはアルコール乱用。
●方法 2週間のrun-in期間後,対象患者をglipizide(30mg/日,分3)群(148例),metformin(1.5g/日,分3)群(156例)に無作為に割り付け,3年間投与。
●結果 試験終了時のHbA1cは,両群で有意に低下し,群間差はなかった(glipizide群:7.6%→7.1%,metformin群:7.6%→7.0%)。
追跡期間の主要エンドポイントの発生は,91例における103件であった(glipizide群52例[35.1%],metformin群39例[25.0%])。糖尿病罹病期間,CAD罹病期間,年齢,性別,ベースラインの喫煙歴を調整後,metformin群のglipizide群に対する主要エンドポイントのハザード比は0.54(95%CI 0.30-0.90;p=0.026)であった。
副次エンドポイントおよび有害事象(低血糖,細小血管合併症)には,有意な群間差を認めなかった。
●結論 CAD既往のある中国人2型糖尿病患者において,3年間のmetformin治療はglipizide治療に比し,中央値5.0年間の主要心血管イベントを著明に減少させた。