編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Simmons RK, Echouffo-Tcheugui JB, Sharp SJ, Sargeant LA, Williams KM, Prevost AT, Kinmonth AL, Wareham NJ, Griffin SJ: Screening for type 2 diabetes and population mortality over 10 years (ADDITION-Cambridge): a cluster-randomised controlled trial. Lancet. 2012; 380: 1741-8. [PubMed]

本研究は,2型糖尿病のスクリーニングにより死亡率を低下できるか,という疑問に対するトライアルである。その結果をみると,一度のスクリーニングでは死亡率低下に寄与しないようであり,今後は複数回のスクリーニングに関する検討が不可欠である。また,リアルワールドでは,糖尿病のリスクが高く,かつこのような前向き研究に参加しないような人のスクリーニングがもっとも重要と考えられる。【綿田裕孝

●目的 2型糖尿病についての地域住民を対象とした段階的スクリーニングプログラムの,死亡率低下効果を検討した。
主要アウトカムは全死亡。
●デザイン クラスター無作為,多施設(英国,32施設)。
●試験期間 登録期間は2001年9月~2002年10月。追跡期間は184,057人年(中央値9.6年)。
●対象患者 20,184例:40~69歳の高リスクの未診断糖尿病例。平均58歳。
●方法 32施設を,スクリーニング+強化多角的治療群(14施設),スクリーニング+英国のガイドラインに基づく通常治療群(13施設),非スクリーニング対照群(5施設)に無作為割り付け。
スクリーニングでは,随時末梢血グルコース,HbA1c,空腹時末梢血グルコースを評価し,経口糖負荷試験を実施。
全例について死亡サーベイランスを実施。
●結果 両スクリーニング群の16047例のうち,15089例(94%)に対して2001~2006年にスクリーニングを呼びかけ,11737例(73%)が参加し,466例(3%)が糖尿病と診断された。スクリーニングを行わない対照群は4137例であった。
追跡期間の死亡は,スクリーニング実施患者1532例,非スクリーニング対照患者377例で,有意差を認めなかった(ハザード比1.06,95%CI 0.90-1.25,p=0.46)。
心血管死(ハザード比1.02,95%CI 0.75-1.38),癌死(ハザード比1.08,95%CI 0.90-1.30),糖尿病関連死(ハザード比1.26,95%CI 0.75-2.10)についても,スクリーニング実施によるリスク低下は認めなかった。
●結論 高リスクの英国人において,2型糖尿病のスクリーニングによる10年以内の全死亡,心血管死,糖尿病関連死の低下は認められなかった。スクリーニングの有益性は想定されているよりも小さく,検出可能な疾患に限定される可能性がある。