編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Logue J, Walker JJ, Leese G, Lindsay R, McKnight J, Morris A, Philip S, Wild S, Sattar N; Scottish Diabetes Research Network Epidemiology Group : Association between BMI measured within a year after diagnosis of type 2 diabetes and mortality. Diabetes Care. 2013; 36: 887-93. [PubMed]

健常者では,肥満により全死亡リスクが増加することが明らかである。しかしながら,2型糖尿病患者では,同様な関係を示す成績もあるが,否定的な成績もあり,必ずしも一致した見解が得られていない。今回の10万人を超えるデータベースの解析は貴重な報告といえる。過体重(BMI 25から<30 )に相当する患者群の死亡リスクがもっとも低く,BMI値と死亡リスクにU型の関連が認められたことは,血糖コントロールに加えて,体重をこのあたりに一定で保たせることも重要だということ示唆しているのかもしれない。体重を減少させようとする介入が,すべての2型糖尿病患者での死亡を減らせるかどうか,さらなる検討が必要である。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,診断後1年以内のBMI値と死亡リスクとの関連を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 2001~2007年。BMI測定から死亡(または2007年12月31日迄)の平均追跡期間は男性4.6年,女性4.7年。
●対象患者 2型糖尿病患者106,640例(男性58,372例,女性48,268例)。2型糖尿病の診断後1年以内のBMIデータおよび生年月日,性別のデータを有する例。
除外基準:糖尿病診断時の年齢30歳未満,BMI測定後2年以内に死亡。
●方法 Scottish Care Information Diabetes Collaboration(SCI-DC)の2008年のデータを使用。
BMI (kg/m2)の値により,対象をBMI 20~<25,BMI 25~<30(対照),BMI 30~<35,BMI 35~<40,BMI 40~<45,BMI 45~<50に分類。Cox比例ハザード回帰モデルを用いて,BMIと全死亡リスクおよび原因別死亡(血管死,肺臓死[respiratory death],癌)リスクの関係を男女別に評価(BMI測定年齢,喫煙状況で調整)。
●結果 2001~2007年の死亡は9,631例(男性5272例,女性4359例)であった。
男女ともに,診断後1年内のBMI値と全死亡リスクに,U型の関連がみられた。全死亡リスクは,男女ともにBMI 25~<30に比べ,BMI 20~<25(ハザード比:男性1.22,95%CI 1.13-1.32,女性1.32,1.22-1.44),およびBMI>35(BMI>45~50:男性1.70,1.24-2.34,女性1.81,1.46-2.24)では,有意に高かった。また,BMI 30から<50へと,BMIが5増加するごとに,全死亡リスクが上昇したが(男性1.21,1.14-1.29,女性1.16,1.10-1.22),BMI 20から<30 へと,BMIが5増加するごとに低下した(男性0.82,0.76-0.88,女性0.77,0.71-0.84)。
肺臓死リスクおよび心血管死リスクはBMIが20から<30へと, 5増加するごとに低下し,BMIが30から<50へと,5増加するごとに増加した。癌死リスクは,20から<30においてのみ,5増加するごとに低下が認められた(男性0.77,0.61-0.96,女性0.71,0.53-0.94)。
これらの結果は,HbA1c,診断年,脂質,血圧,および社会経済的地位で調整後も同様であった。
●結論 診断後1年以内の2型糖尿病患者では,正常体重,あるいは肥満体重の全死亡リスクは,過体重に比して有意に高く,BMI値と死亡リスクにU型の関連が認められた。体重を減少させようとする介入が全ての2型糖尿病患者で死亡を減らせるかどうか,さらに検討が必要である。