編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Meneghini L, Atkin SL, Gough SC, Raz I, Blonde L, Shestakova M, Bain S, Johansen T, Begtrup K, Birkeland KI; NN1250-3668 (BEGIN FLEX) Trial Investigators : The efficacy and safety of insulin degludec given in variable once-daily dosing intervals compared with insulin glargine and insulin degludec dosed at the same time daily: a 26-week, randomized, open-label, parallel-group, treat-to-target trial in individuals with type 2 diabetes. Diabetes Care. 2013; 36: 858-64. [PubMed]

現在用いられている持効型溶解インスリンアナログ製剤であるinsulin glargineおよびinsulin detemirは,いずれも1日1回注射では基礎インスリンの補充が十分ではない症例が認められ,1日2回注射が必要な場合がある。また,これらの製剤の注射のタイミングが日常生活では毎日必ずしも一定していないことがあり,ときには注射を忘れることすらある。
insulin degludecはより作用の持続が長く,その半減期の記載は添付文書にはないが,本論文では~25時間とする文献を引用している。insulin degludecの投与間隔を8~40時間と大きく変化させても,その有効性と安全性に,insulin degludecあるいはinsulin glargineの1日1回一定時間の投与と比較して差がなく,insulin degludecの臨床的有用性が期待される。【景山 茂

●目的 insulin degludec(IDeg)を1日1回,朝夕交互に投与した場合の有効性と安全性を,IDegを1日1回,一定時間に投与した場合,あるいはinsulin glargine(IGlar)を1日1回,一定時間に投与した場合と比較した。
一次エンドポイントは26週後のHbA1cの変化。
二次エンドポイントはHbA1c<7%に到達した患者の割合,空腹時血糖値(FPG)の変化,インスリンの投与量,9-point SMPG(自己測定血糖)。
●デザイン 無作為,オープンラベル,多施設(14ヵ国,69施設),パラレル,three-arm,treat-to-target,intention-to-treat解析,非劣性(閾値0.4%),第III相試験。
●試験期間 登録期間は2009年11月~2010年9月。試験期間は26週。
●対象患者 687例:18歳以上の2型糖尿病患者。
登録基準:罹病期間6ヵ月以上,BMI≦40.0,経口糖尿病薬による治療歴(ベースラインHbA1c 7.0~11.0%)または基礎インスリン治療歴(ベースラインHbA1c 7.0~10.0%)。
除外基準:3ヵ月以内のGLP-1受容体作動薬,ロシグリタゾン,DPP-4阻害薬,またはαグルコシダーゼ阻害薬の使用歴。
●方法 対象患者をIDegOD Flex群,IDegOD群,IGlar OD群に1:1:1無作為割り付け。
IDegOD Flex群では,IDeg(100 units/mL,3mL)を1日1回,朝と夕の交互に皮下注(注射間隔8~40時間)。
IDegOD群では,IDeg(100 units/mL,3mL)を1日1回,夕食時に皮下注。
IGlar OD群では,IGlar(100 units/mL,3mL)を1日1回,適宜決められた時間に皮下注。
糖尿病治療薬投与下の患者は,試験後も同投与量にて継続。
●結果 26週後のHbA1cの平均変化は,IDegOD Flex群-1.28%,IDegOD群-1.07%,IGlar OD群-1.26%であり,IDegOD Flex群のIGlar OD群に対する非劣性が証明された(群間差0.04%,95%CI -0.12 to 0.20)。IDegOD Flex群とIDegOD群に有意な差は認められなかった(群間差-0.13%,95%CI -0.29 to 0.03)。
HbA1c<7%に到達した患者の割合は,IDegOD Flex群38.9% IDeg OD群40.8%,IGlar OD群43.9%,と,有意な群間差は認められなかった(IDegOD Flex群 vs IDegOD群 P=0.99,IDegOD Flex群 vs IGlarOD群 P=0.34)。
26週後の平均FPGは,IDegOD Flex群とIDegOD群では有意な差はみられなかったが,IDegOD群でIGlar OD群に比して有意に低下した(群間差-0.42 mmol/L,95%CI -0.82 to-0.02,P=0.04)。
試験終了時,各群のインスリン投与量および体重増加は同様であった。9-point SMPG,低血糖症などの有害事象に群間差は認められなかった。
●結論 2型糖尿病患者において,IDegの投与間隔が8~40時間にわたるIDeg OD Flex療法は,血糖コントロールおよび有害事象を悪化させることなく,実施できる可能性が示唆された。