編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Singh S, Chang HY, Richards TM, Weiner JP, Clark JM, Segal JB: Glucagonlike peptide 1-based therapies and risk of hospitalization for acute pancreatitis in type 2 diabetes mellitus: a population-based matched case-control study. JAMA Intern Med. 2013; 173: 534-9. [PubMed]

これまで,動物実験からインクレチン療法が急性膵炎を誘発する可能性が指摘されており,また実際にインクレチン製剤投与例で急性膵炎が発症したとの報告が相次いで報告されていた。しかし,これらにはレポーティングバイアスの可能性が否定できず,臨床的にインクレチン製剤が急性膵炎の発症を増加させることを強く示唆するデータはなかった。
本研究は,レポーティングバイアスを避け,通院中の米国2型糖尿病患者のうち,急性膵炎を発症した集団と,背景をマッチさせた対照集団で,インクレチン製剤の投与率を比較した。その結果,インクレチン製剤が急性膵炎と関連することを示した貴重なデータである。
今後,他のデータベースでも同様の結果が示されるかなどの検討が不可欠である。【綿田裕孝

●目的 2型糖尿病患者において,GLP-1受容体作動薬exenatideまたはDPP-4阻害薬sitagliptinと急性膵炎リスクの関連を検討した。
●デザイン 症例対照研究。
●試験期間 登録期間は2005年2月1日~2008年12月31日。
●対象患者 2,538例:18~64歳の2型糖尿病患者。平均52歳,男性57.45%。
●方法 米国の大規模行政データベースを用いて,妥当性の検証されたアルゴリズムにより,急性膵炎により入院した1,269例(平均51.76歳)と,年齢,性別,登録パターン,糖尿病合併症を合致させた対照1,269例(平均52.26歳)を抽出。
条件付きロジスティク回帰分析により,exenatideまたはsitagliptin治療と急性膵炎リスクの関連を検討。
●結果 急性膵炎により入院した患者は,対照に比し,高トリグリセリド血症(12.92% vs 8.35%),飲酒(3.23% vs 0.24%),胆石(9.06% vs 1.34%),喫煙(16.39% vs 5.52%),肥満(19.62% vs 9.77%),胆道癌または膵癌(2.84% vs 0%),嚢胞性線維症(0.79% vs 0%),すべての悪性腫瘍(29.94% vs 18.05%)が多かった(すべてp<0.05)。
交絡因子とmetformin使用を調整後,exenatideまたはsitagliptin治療を行っていない患者に比し,30日以内のexenatideまたはsitagliptin治療(調整オッズ比2.24,95%CI 1.36-3.68),過去30日~<2年のexenatideまたはsitagliptin治療(調整オッズ比2.01,95%CI 1.37-3.18)は,急性膵炎リスクを有意に増大させた(いずれもp=0.01)。
●結論 2型糖尿病患者において,exenatideまたはsitagliptin治療は,急性膵炎による入院リスクを有意に増大させた。