編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Manzella D, Grella R, Abbatecola AM, Paolisso G: Repaglinide administration improves brachial reactivity in type 2 diabetic patients. Diabetes Care. 2005; 28: 366-71. [PubMed]

食後の血糖上昇が血管壁の酸化ストレスを増大させることや血管内皮機能を障害することが報告されているが,本論文ではrepaglinideがSU薬と比べ食後の血糖上昇を抑制し,酸化ストレスマーカーや血管内皮機能を改善することを示している。少数例での検討ではあるが,クロスオーバー法を用いて食後血糖低下が血管機能改善に結びつくことを明らかにした重要な論文である。【西尾善彦

●目的 血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,短時間作用型インスリン分泌促進薬repaglinideおよび長時間作用型インスリン分泌促進薬glibenclamideが酸化状態および内皮機能に与える影響を比較した。
●デザイン 無作為,クロスオーバー,パラレル。
●試験期間 試験期間は4ヵ月。
●対象患者 16例:食事療法下で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者。
除外基準:1型糖尿病,喫煙習慣,肝疾患または腎疾患,心血管疾患(心不全,不安定狭心症,最近の心筋梗塞,高血圧),降圧薬または脂質異常症治療薬の服用。
●方法 1週間のrun-in期間後,対象患者をrepaglinide群(1mg,1日2回),glibenclamide群(5mg,1日2回)にランダム化。8週間投与後,クロスオーバー。
全例で,weight stable diet(炭水化物50%以下,脂質25%以下,タンパク質25%以下)を摂取。多価不飽和脂肪酸-飽和脂肪酸の比率は1.0。食物繊維摂取量は10g/日以下。
●結果 repaglinide群およびglibenclamide群では,ともに空腹時血糖,HbA1c,トリグリセリドが有意に減少し,空腹時インスリン,食後2時間インスリンが有意に増加した。
食後2時間血糖値はrepaglinide群で大きく減少し,Trolox等価抗酸化能力(TEAC)の増加およびチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)の増加との有意な関連を示し,これは代謝コントロールスコアとは独立したものであった(それぞれr=-0.47,P<0.05,r=0.46,P<0.05)。
上腕反応性(上腕動脈径の変化,血流量の変化)については,repaglinide投与のみで改善が認められた(すべてP<0.003)。一酸化窒素産生阻害剤L-NMMAは,いずれの群においても上腕反応性に変化を及ぼさなかったが,カリウムチャネル阻害薬テトラエチルアンモニウムはrepaglinideによる内皮機能改善効果を減弱させた。
repaglinide群の食後2時間血糖値の変化は,上腕反応性(上腕動脈径の変化:r=-0.58,P<0.02,血流量変化:r=-0.56,P<0.02)と有意な関連を示し,その関連は代謝コントロールスコア(それぞれr=-0.48,P<0.04,r=-0.46,P<0.05)とは独立したが,血中TBARS値およびTEAC値の変化を調整後は関連が消失した。
●結論 血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,repaglinideにより食後の血糖コントロールが良好となり,上腕反応性を改善し,酸化ストレス指標を減少させた。