編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Reyes-Soffer G, Ngai CI, Lovato L, Karmally W, Ramakrishnan R, Holleran S, Ginsberg HN: Effect of combination therapy with fenofibrate and simvastatin on postprandial lipemia in the ACCORD lipid trial. Diabetes Care. 2013; 36: 422-8. [PubMed]

2型糖尿病患者に対してインスリンを用いてHbA1c値を平均6.5%まで下げたとしても,むしろ予後を悪化させてしまうことを報告したACCORD試験のサブ解析の1つである。
ACCORD試験は,血糖介入アームのみならず,血圧,脂質への介入アームも設定されており,本研究はこの脂質アーム介入において,スタチンにフィブラート製剤もしくはプラセボを無作為に追加した際の,中性脂肪を中心とした脂質のプロファイルの変化を検討した報告である。
その結果,フィブラート製剤を追加した場合は,中性脂肪はすべての症例で有意に低下することが示されたが,apoC IIIには群間差がなく,apoB48は空腹時中性脂肪が高いと有意に低下していた。
本報告はフィブラート製剤追加による脂質低下のみについて報告しているが,この低下がはたして心血管イベント減少につながるかまで判定することが,本試験に課せられた義務だと考えている。【西村理明

●目的 2型糖尿病患者において,食後の脂質およびリポ蛋白質に対するHMG-CoA還元酵素阻害薬simvastatin+fenofibrate併用療法(FENO-S)の効果を検討した。
●デザイン 無作為化比較試験ACCORD Lipidのサブ解析。
●試験期間 試験期間は1日。
●対象患者 139例:ACCORD Lipidの参加者(2型糖尿病患者529例)のうち,食後の脂質異常症を評価した患者で,FENO-Sまたはプラセボ+simvastatin(PL-S)を4ヵ月以上服用した者。平均61±7歳。女性40%。
除外基準:空腹時トリグリセリド(TG)>400mg/dL。
●方法 ACCORD Lipidでは,対象患者をFENO-S群(66例),simvastatin+PL-S群(73例)にランダム化し,空腹時脂質を比較。
本解析では,経口脂質負荷後10時間の血漿TG,アポリポ蛋白(apo)B48,apoCIIIを評価。
●結果 食後TGの空腹時からの上昇の曲線下面積(IAUC)は,FENO-S群は中央値572mg/dL/時(四分位範囲352~907),PL-S群は中央値770mg/dL/時(四分位範囲429~1420)であった(p=0.008)。食後apoB48のIAUCは,FENO-S群は平均23.2±16.3(S.O.)μg/mL/時,PL-S群は平均35.2±28.6(S.O.)μg/mL/時であった(p=0.008)。食後apoCIIIのIAUCには有意な群間差を認めなかった(0.7±13 vs -3.4±19mg/dL/時)。
試験日の空腹時TGは,食後TGのIAUCと有意に相関した(FENO-S群:r=0.73,PL-S群:r=0.62,いずれもp<0.001)。食後TGのIAUCに対するfenofibrateの効果は,空腹時TGのレベルにかかわらず一定であったが,食後apoB48のIAUCに対するfenofibrateの効果は,空腹時TGが上昇していた場合のみ認められた。
●結論 2型糖尿病患者において,FENO-SはPL-Sに比し,すべての患者で食後TGを低下させたが,食後apoB48については,空腹時TG高値の患者でのみ低下した。