編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Papa G, Fedele V, Rizzo MR, Fioravanti M, Leotta C, Solerte SB, Purrello F, Paolisso G: Safety of type 2 diabetes treatment with repaglinide compared with glibenclamide in elderly people: A randomized, open-label, two-period, cross-over trial. Diabetes Care. 2006; 29: 1918-20. [PubMed]

repaglinideは速効型インスリン分泌促進薬のなかでは血糖低下作用が最も強力である。それでもglibenclamideに比較すると低血糖のエピソードは少ないことが示され,典型的な低血糖症状が出現しにくい高齢者では有用な治療薬と考えられる。
なお,本研究においてはrepaglinideの開始用量が1回1mgであるが,わが国では1回0.25mgが開始用量であることには注意が必要である。【景山 茂

●目的 血糖コントロール不良境界域の高齢2型糖尿病患者において,repaglinideおよびglibenclamideによる低血糖イベントおよび有害イベントの発生を比較した。
一次エンドポイントは低血糖エピソード(血糖値<4.0 mmol/L)。
●デザイン 無作為,オープンラベル,クロスオーバー。
●試験期間 試験期間は24週。
●対象患者 90例:65歳以上で食事療法/経口糖尿病薬使用歴のある,2型糖尿病患者。平均年齢74.6歳,平均HbA1c 7.9%。
75歳以上のサブグループ(37例)は分けて解析。
●方法 対象患者をrepaglinide群,glibenclamide群にランダム化し,12週間の観察期後にクロスオーバー。
Repaglinide群では1 mg(1日3回,食事時)から開始し,1日用量は3~6mg/日,glibenclamide群では5mg/日(2回に分けて投与,2回目は夕食前)から開始し,1日用量は5~10mg/日。食前および就寝時血糖値6.4~7.2 mmol/L,食後2時間血糖値<8.0 mmol/Lを目標血糖値とし,3週間かけて至適用量まで漸増し,12週間投与後,クロスオーバーした。
●結果 用量調節後の平均用量は,repaglinide4.1mg/日, glibenclamide6.1mg/日であった。
低血糖エピソードの発生は各期当たり,repaglinide群(0.38±0.84件/人)でglibenclamide群(0.81±1.4件/人)に比して有意に少なかった(P=0.002)(発生率比[incidence rate ratio, IRR] 0.49,95%CI 0.33-0.71)。血糖値<3.3 mmol/L,<2.7 mmol/Lの低血糖エピソードの発生についても,repaglinie群で有意に少なかった(それぞれ24件 vs 53件,10件 vs 23件)。低血糖に対して持越し効果(carry-over effect)は認められなかった。
75歳以上のサブグループ患者においても,各期の低血糖エピソードはrepaglinide群(0.36±0.7件/人)でglibenclamide群(0.86±15件/人,)に比べ有意なリスク減少が認められた(IRR 0.43,0.23-082)。
24週後のHbA1cは両群ともに改善したが,repaglinide群(7.64→6.87%)でglibenclamide群(7.50→7.14%)より低下した(群間差-0.41%,95%信頼区間-0.71 to -0.11 )。空腹時血糖値はrepaglinide群(7.64→6.61 mmol/L)でglibenclamide群(7.22→7.25 mmol/L)に比して有意に低下した(群間差-1.05 mmol/L,95%CI -1.38 to -0.33)。食後2時間血糖値に有意な差はみられなかった(repaglinide群8.93→7.98 mmol/L,glibenclamide群8.72→8.49 mmol/L)。
75歳以上のサブグループ患者においても同様の効果が認められた。
●結論 高齢2型糖尿病患者において,repaglinideはglibenclamideに比べ,低血糖エピソードの発生が少なく,安全かつ有効である可能性が示唆された。