編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Estruch R, Ros E, Salas-Salvadó J, Covas MI, Corella D, Arós F, Gómez-Gracia E, Ruiz-Gutiérrez V, Fiol M, Lapetra J, et al.; PREDIMED Study Investigators : Primary prevention of cardiovascular disease with a Mediterranean diet. N Engl J Med. 2013; 368: 1279-90. [PubMed]

本研究は,スペインの7000例を超える症例を,2種類の地中海食群(オリーブオイル群およびナッツ群),低脂肪食群の3群に割り付け,心血管イベントの発症抑制効果を検討したものである。
その結果,地中海食群は2種類とも有意に心血管イベントを減少させることが示された。しかしその内訳をみると,脳卒中リスクは有意に低下しているが,冠動脈疾患に関してはリスクの低下がみられず,その理由の検討がまたれる。また,本研究の結果が,スペイン人とは食生活が大きく異なる日本人にあてはまるとは限らず,わが国においても同様の効果がみられるのか検証する必要がある。【西村理明

●目的 2型糖尿病または心血管疾患の危険因子を3つ以上有する心血管疾患の既往のない患者において,地中海食の心血管疾患の発症抑制効果を検討した。
一次エンドポイントは複合心血管イベント(心筋梗塞+脳卒中+心血管死)。二次エンドポイントは脳卒中,心筋梗塞,心血管死,全死亡。
●デザイン ランダム化,多施設(スペイン),intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は2003年10月~2009年6月。追跡期間は中央値4.8年。
●対象患者 7447例:2型糖尿病または以下の心血管疾患リスクを3つ以上有する心血管疾患の既往のない患者:喫煙,高血圧,LDL-C高値,HDL-C低値,過体重/肥満,早期の冠動脈疾患の家族歴。
登録基準:男性55~80歳,女性60~80歳。
●方法 対象患者を地中海食EVOO群(2543例),地中海食ナッツ群(2454例),対照群(2450例)に1:1:1で無作為割付け。
地中海食EVOO群では,エキストラバージンオイル(1L/週)を補充。
地中海食ナッツ群では,ナッツ類(ウォールナッツ15g+ヘーゼルナッツ7.5g+アーモンド7.5g)/日を補充。
対照群では,低脂肪食を推奨。
2つの地中海食群では食事療法士がプライベート/グループによる食事トレーニング・セッションを実施(ベースライン時および年4回)。
全群ともにカロリー摂取量の制限や身体活動の推奨などは実施せず。
●結果 2つの地中海食群におけるアドヒアランスは良好であった。
一次エンドポイントである複合心血管イベントの発生は,地中海食EVOO群96件(3.8%),地中海食ナッツ群83件(3.4%),対照群109件(4.4%)。対照群に対する調整ハザード比(HR)は,地中海食EVOO群0.70(95%信頼区間0.54-0.92,P=0.01),地中海食ナッツ群0.72(0.54-0.96,P=0.03)と有意なリスクの低下を認めた。
脳卒中の発生は,地中海食EVOO群(調整HR 0.67,95%信頼区間0.46-0.98,P=0.04),地中海食ナッツ群(HR 0.54,0.35-0.84,P=0.006)ともに対照群に比して有意に低かったが,心筋梗塞,心血管死,全死亡については,地中海食群と対照群との有意な差は認められなかった。
●結論 心血管疾患の高リスク例において,エキストラバージンオイル補充の地中海食およびナッツ補充の地中海食は,主要心血管イベントの発生を抑制した。