編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Kodama S, Tanaka S, Heianza Y, Fujihara K, Horikawa C, Shimano H, Saito K, Yamada N, Ohashi Y, Sone H: Association between physical activity and risk of all-cause mortality and cardiovascular disease in patients with diabetes: a meta-analysis. Diabetes Care. 2013; 36: 471-9. [PubMed]

今回の検討は,コホート研究のメタ解析であり,その結果は日常臨床で経験していることと大きな差はない。ただし,こうした検討で常に留意すべき点は,「身体活動量を増やすことのできない例,またはすでに複数の疾患を有している例が,死亡率や心血管疾患罹患率を高めている可能性がある」ということである。
今後は,心血管疾患の発症を防止する「身体活動の内容」を,科学的に追究していくことが望まれる。【河盛隆造

●目的 糖尿病患者において,習慣的な身体活動が全死亡および心血管疾患の発生に与える影響を検討した。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間
●対象患者 糖尿病患者を対象とした17のコホート研究(全死亡13試験,心血管疾患12試験)。
コホート研究の採用基準:運動介入のない前向き・後ろ向き研究,全参加者が糖尿病患者,心血管疾患が独立したエンドポイント,身体活動カテゴリーが最高度と最低度の患者における身体活動の効果の測定および標準誤差が記載されているか計算可能なもの。
●方法 電子データベース(MEDLINE: 1950-2011,EMBASE: 1974-2011)より,糖尿病患者における身体活動が全死亡および心血管疾患に及ぼす影響を検討したコホート研究を検索。データ抽出は,2名が独立して実施(相違は議論により解決)。
各研究データの統合解析を実施し,身体活動カテゴリーが最高度の患者と身体活動カテゴリーが最低度の患者を比較した(身体活動カテゴリーの定義は,試験により異なった)。
●結果 身体活動カテゴリーが最低度の患者に比し,カテゴリーが最高度の患者における全死亡の相対リスク(RR)は0.60(95%信頼区間0.52-0.70),心血管疾患のRRは0.71(0.60-0.84)で,ともに有意な差が認められ,全死亡,心血管疾患ともに,試験間における有意な異質性が認められた(ともにP<0.001)。
また,全死亡リスクについて,有意な出版バイアスが認められた(P=0.04[Begg and Egger tests])。
線形回帰モデルの評価では,身体活動量が1MET-h/日(座位安静時1時間におけるエネルギー消費量)増加すると,全死亡リスクは9.5%(95%信頼区間5.0-13.8)減少,心血管疾患リスクは7.9%(4.3-11.4)減少した。
●結論 糖尿病患者において,身体活動量が高い患者では,低い患者にくらべ,全死亡リスクおよび心血管疾患リスクが減少する可能性が示唆された。