編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ji L, Li H, Guo X, Li Y, Hu R, Zhu Z: Impact of baseline BMI on glycemic control and weight change with metformin monotherapy in Chinese type 2 diabetes patients: phase IV open-label trial. PLoS One. 2013; 8: e57222. [PubMed]

肥満者におけるmetforminの有用性はUKPDS 34により示された。しかし,metforminの血糖コントロールに及ぼす影響に関しては,肥満者のみならず正常体重の2型糖尿病患者においても有効であることはすでに報告があり,また日常診療でも経験するところである。
本研究はランダム化比較試験ではないというスタディ・デザイン上の弱点はあるものの,2型糖尿病の病態生理が日本人に比較的近いと思われる中国人の成績であり,参考になる。【景山茂】

●目的 新規診断2型糖尿病患者において,metformin単独療法の有効性を,正常体重例,過体重例,肥満例で比較した。
主要エンドポイントは,16週後のHbA1c。他のエンドポイントは,空腹時血糖値(FPG),空腹時脂質,体重。
●デザイン 前向き,オープン,多施設(中国の20施設),第IV相。
●試験期間 試験期間は2009年11月19日~2011年3月15日。
●対象患者 371例:中国人の新規診断2型糖尿病患者。23~77歳。
登録基準:17~79歳,過去6ヵ月以内の2型糖尿病の診断,HbA1c 7.0~10.0%,経口糖尿病 治療薬の投与歴なし。
除外基準:BMI≧35kg/m2または<18.5kg/m2,活動性の肝疾患または重大な肝機能障害,急性または慢性代謝性アシドーシス,うっ血性心不全(NYHAクラスIII/IV,左室駆出率≦40%),過去6ヵ月以内の重大な心血管疾患既往,重度の網膜症,コントロール不良の高血圧,重度の慢性消化管疾患,貧血,血清クレアチニン≧1.5mg/dL(男性)または≧1.4mg/dL(女性),他の経口糖尿病治療薬の使用。
●方法 BMI 18.5~23.9kg/m2の正常体重患者(125例),24.0~27.9kg/m2の過体重患者(122例),≧28kg/m2の肥満患者(124例)に,徐放性metforminを16週間投与。metformin用量は,500mg/日から開始し,最大2000mg/日まで毎週増量。
●結果 ベースライン値を調整した16週後のHbA1cの平均低下度は,正常体重例-1.84%,過体重例-1.78%,肥満例-1.78%(p=0.664),FPGの平均低下度は,正常体重例-1.98mmol/L,過体重例-2.17mmol/L,肥満例-2.14mmol/L(p=0.461),体重低下率は,正常体重例-2.4%,過体重例-3.9%,肥満例-3.5%であった。総コレステロールとトリグリセリドの平均低下は正常体重例で有意に大きいが(それぞれp=0.03,p=0.021),LDL-コレステロールとHDL-コレステロールの変化には有意差を認めなかった(それぞれp=0.451,p=0.143)。
●結論 新規診断2型糖尿病患者において,metformin単独療法による血糖コントロール,体重変化,他の有効性評価項目の改善に対するベースラインのBMIの影響は認めなかったことから,正常体重の2型糖尿病患者でも,metforminによる一次治療の効果は,過体重例または肥満例と同様であることが示唆された。