編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Morimoto A, Tatsumi Y, Deura K, Mizuno S, Ohno Y, Miyamatsu N, Watanabe S: Impact of impaired insulin secretion and insulin resistance on the incidence of type 2 diabetes mellitus in a Japanese population: the Saku study. Diabetologia. 2013; 56: 1671-9. [PubMed]

日本ではOGTTが汎用され,さらにインスリン(IRI)も測定されており,インスリン分泌指数(OGTT30分インスリン値-空腹時インスリン値/OGTT30分血糖値-空腹時血糖値)が0.4以下の例では2型糖尿病への移行率が高いことが広く認められている。
わが国の,耐糖能異常を対象にvogliboseを用いたプラセボ対照前向き試験では,α-GIがOGTT正常型への復帰率を高め,糖尿病型への進展を半減させたことが示された(Kawamori R, et al. Lancet. 2009;373:1607-14[PubMed])。さらにサブ解析においては,試験開始時のOGTT30分インスリン値が高いほど,介入による血糖応答の正常化率が高いことも示された(Kawamori R, et al. Diabetology International. 2012;3:209-16)。
以上のことから,日本人では食後のインスリン分泌上昇が低い例では,より強力な生活習慣のひきしめによって,糖尿病の発症予防をはかることが重要であろう。【河盛隆造

●目的 日本人において,2型糖尿病発症に対するインスリン分泌不全(IIS)およびインスリン抵抗性(IR)の影響を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 登録期間は2006年4月~2007年3月。2011年3月追跡終了。追跡期間は中央値4.0年(10,553人・年)。
●対象患者 3,059例:糖尿病のない日本人。男性1,754例,女性1,305例。30~69歳(平均55.7歳)。
●方法 インスリン分泌指数とHOMA-IRにもとづき,日本糖尿病学会の4基準に分類(正常,孤立性IIS,孤立性IR,IIS+IR)。
空腹時血糖値,75g経口糖負荷試験2時間血糖値,糖尿病治療薬の処方に基づいて2型糖尿病の発症を評価。
●結果 ベースラインの正常例は1,550例(50.7%),孤立性IIS例は900例(29.4%),孤立性IR例は505例(16.5%),IIS+IR例は104例(3.4%)であった。
追跡期間中の2型糖尿病発症は219例で,うち126例(57.5%)はベースライン時に孤立性IIS例であった。
正常例に対する2型糖尿病発症の多変量調整ハザード比は,孤立性IIS例8.27(95%CI 5.33-12.83),孤立性IR例4.90(95%CI 2.94-8.17),IIS+IR例16.93(95%CI 9.80-29.25)。
2型糖尿病発症の人口寄与率は,孤立性IISでは50.6%(95%CI 46.7-53.0%),孤立性IRでは14.2%(95%CI 11.8-15.6%),IIS+IRでは12.9%(95%CI 12.3-13.2%)。
●結論 日本人において,2型糖尿病発症に対するIISの影響は,IRよりも大きかった。