編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Mohan V, Shanthi Rani CS, Amutha A, Dhulipala S, Anjana RM, Parathasarathy B, Unnikrishnan R: Clinical profile of long-term survivors and nonsurvivors with type 2 diabetes. Diabetes Care. 2013; 36: 2190-7. [PubMed]

診断時年齢をマッチさせた糖尿病罹病期間40年以上の長期生存例と,非長期生存例における死亡原因と,合併症の発症率を比較した研究である。
本研究における長期生存例の罹病期間は平均4.3年,非長期生存例の罹病期間(死亡までの期間)は平均22年であり,その比較において貴重な情報が提供されている。
非長期生存例の死因は,心筋梗塞ならびに腎不全であるが,長期生存例では,罹病期間が長くなることから,合併症として細小血管障害が比較的高率に出現し,動脈硬化性疾患の発症率も高くなることが示されている。
本報告の結果は,長期にわたる糖尿病治療において,起こりうる死亡の死因ならびに合併症の種類を明示しており,日常臨床に極めて重要な情報を提示している。【西村理明

●目的 2型糖尿病患者の長期生存例の臨床プロフィールを対照例と比較し,非長期生存例の死亡原因および両者における合併症の発症率を検討した。
●デザイン 糖尿病データベースの後ろ向き調査。
●試験期間 登録期間は1991~2011年。
●対象患者 545例:2型糖尿病患者。
糖尿病罹病期間40年超の長期生存例238例,非長期生存例307例。
●方法 Diabetes Electronic Medical Records(インド・マドラス)の登録データを用い,2型糖尿病の長期生存例と,診断時年齢・性別をマッチさせた非長期生存例を抽出し,死亡原因と合併症発症率を検討した。
網膜写真に基づく糖尿病網膜症,微量アルブミン尿,マクロアルブミン尿,足首上腕血圧比(ABI,<0.9)に基づく末梢血管疾患,心筋梗塞または冠動脈血行再建術の既往に基づく冠動脈疾患,振動覚閾値検査(>20V)に基づく神経障害の合併率を,長期生存例と非長期生存例で比較した。
●結果 平均糖尿病罹病期間は,長期生存例で43.7±3.9年,非長期生存例(死亡時の年数)で22.4±11.0年であった(P<0.001)。
長期生存例に比べ,非長期生存例では,収縮期血圧値,拡張期血圧値,血糖値,HbA1c値,血清コレステロール値,LDLコレステロール値,トリグリセリド値が高く,HDLコレステロール値が低かった(収縮期血圧以外P<0.001,収縮期血圧P=0.027)。
もっとも多い死亡原因は,心筋梗塞(46.4%)および腎不全(16.6%)であった。長期生存例は糖尿病罹病期間が長く,また高齢であるため,網膜症(長期生存例76% vs. 非長期生存例62%),微量アルブミン尿(39.1% vs. 27.3%),マクロアルブミン尿(8.4% vs. 23.7%),神経障害(86.5% vs. 63.5%),末梢血管障害(23.1% vs. 11.4%),冠動脈疾患(44.5% vs. 40.7%)の発症率が高かった。
●結論 2型糖尿病の長期生存例では,血糖コントロールおよび血圧コントロール,脂質プロフィールが良好であった。非長期生存例での死因は,心筋梗塞が約半数を占めた。