編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Eurich DT, Simpson S, Senthilselvan A, Asche CV, Sandhu-Minhas JK, McAlister FA: Comparative safety and effectiveness of sitagliptin in patients with type 2 diabetes: retrospective population based cohort study. BMJ. 2013; 346: f2267. [PubMed]

日本で広く用いられているDPP-4阻害薬の安全性は,すでに多くの後ろ向き解析で報告されている。本研究も,それを支持するデータであると考えられる。【綿田裕孝

●目的 新規治療の2型糖尿病患者において,sitagliptinによる臨床転帰を他の血糖降下薬と比較検討した。
一次エンドポイントは,全入院+全死亡。
●デザイン 後向き,コホート。
●試験期間 登録期間は2004年1月1日~2009年12月31日,追跡期間は最長6年(2010年12月31日まで,あるいは医療保険終了/死亡まで)。
●対象患者 72,738例:新規に経口糖尿病治療薬を開始した20歳以上の患者。平均52歳,男性54%。虚血性心疾患11%,糖尿病関連合併症9%。
除外基準:インスリン単独で糖尿病治療を開始した者(経口糖尿病薬からインスリンに変更した患者は含む),saxagliptinの使用者(感度解析には含む)。
●方法 米国50州で登録された大規模医療請求および統合実験室データベース(Clinformatics Data Mart,OptumInsight Life Sciences Inc)のデータを使用。
sitagliptin+metformin,sitagliptin+スルホニル尿素(SU)薬,metformin+SU薬(対照)にカテゴリー分けし,sitagliptin使用者(sitagliptin+metformin,sitagliptin+SU薬)の非使用者(metformin+SU薬:対照)に比したハザード比(HR)を求めた。HRは他の血糖降下薬,人口動態,臨床/併存疾患データにより調整。
高リスク患者における影響をみるため,虚血性心疾患既往患者,推算糸球体濾過量(eGFR)<60mL/分の患者におけるサブグループ解析も実施した。
●結果 sitagliptin使用者は8,032例(11%)であった。
sitagliptin使用者一次エンドポイント(全入院+全死亡)発症率は,非使用者と同程度であり(調整ハザード比[HR] 0.98[95%信頼区間0.91-1.06,P=0.63]),心血管疾患による入院+全死亡のHRは0.92(0.79-1.07),全入院のHRは0.98(0.91-1.06),全死亡のHRは0.90(0.77-1.07)であった。
虚血性心疾患の既往のある患者では,sitagliptin使用者の非使用者に比べた一次エンドポイントのHRは1.10(0.94-1.28),eGFR<60mL/分の患者ではHR 1.11(0.88-1.41)であった。
●結論 2型糖尿病患者において,sitagliptin使用は他の血糖降下薬に比べ,全入院+全死亡のリスクを過度には上昇させないことが示唆された。