編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Moriya T, Tanaka S, Kawasaki R, Ohashi Y, Akanuma Y, Yamada N, Sone H, Yamashita H, Katayama S; Japan Diabetes Complications Study Group : Diabetic retinopathy and microalbuminuria can predict macroalbuminuria and renal function decline in Japanese type 2 diabetic patients: Japan Diabetes Complications Study. Diabetes Care. 2013; 36: 2803-9. [PubMed]

顕性アルブミン尿(腎症)の発症には,微量アルブミン尿のみならず網膜症の存在が関与する。そして,腎機能低下は,微量アルブミン尿および網膜症が併存したときに顕著であることが確認された。網膜症の存在は腎症の予後の推定に重要な情報となることから,積極的な眼科診察に基づいた情報共有が望ましいことが明らかになった。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,糖尿病網膜症と糖尿病腎症の相互関係を検討し,糖尿病網膜症と微量アルブミンが,顕性アルブミン尿発症および腎機能低下に与える影響を検証した。JDCSのサブ解析。
●デザイン 無作為化比較試験のサブ解析。
●試験期間 追跡期間は8年。
●対象患者 1475例:JDCSに参加した2型糖尿病患者。
除外基準:高微量アルブミン尿(150~300mg/gCr)。
●方法 糖尿病網膜症の有無,および微量アルブミン尿により,患者を①正常アルブミン尿+非網膜症(NA-DR):773例,②正常アルブミン尿+網膜症(NA+DR):279例,③微量アルブミン尿+非網膜症(MA-DR):277例,④微量アルブミン尿+網膜症(MA+DR):146例の4群に分類して,顕性アルブミン尿への進展,および腎機能低下(尿中アルブミン-クレアチニン比[UACR],推算糸球体濾過量[eGFR])を評価した。
●結果 顕性アルブミン尿の年間発生率は,NA-DRで1.6/1000人・年(9例),NA+DRで3.9/1000人・年(8例),MA-DRで18.4/1000人・年(34例),MA+DRで22.1/1000人・年(22例)であった。
顕性アルブミン尿への進展のNA-DRに比した多変量調整ハザード比は,NA+DRで2.48(95%信頼区間0.94-6.50,P=0.07),MA-DRで10.40(4.91-22.03,P<0.01),MA+DRで11.55(5.24-25.45,P<0.01)。
UACRの年間増加率は,NA+DRで6.76mg/gCr/年(95%信頼区間4.53-8.99,P<0.01),MA-DRで16.35 mg/gCr/年(13.97-18.74,P<0.01),MA+DRで25.27mg/gCr/年(22.13-28.41,P<0.01)であり,NA-DRの3.05 mg/gCr/年(1.72-4.39,P<0.01)に比べて有意に高かった。
GFRの年間低下度は,MA+DRで-1.92mL/分/1.73m2/年(-2.28 to -1.55,P<0.01)となり,NA-DRの-0.54 mL/分/1.73m2/年(-0.70 to -0.39,P<0.01),NA+DRの-0.69 mL/分/1.73m2/年(-0.96 to -0.42,P<0.01),MA-DRの-0.69 mL/分/1.73m2/年(-0.96 to -0.42,P<0.01)に比べ有意に大きかった。
●結論 正常・微量アルブミン尿の日本人2型糖尿病患者において,ベースライン時の微量アルブミン尿は8年後における顕性アルブミン尿高リスクと関連した。微量アルブミン尿および糖尿病網膜症の患者では,糸球体濾過量の低下がもっとも速かった。アルブミン尿および糖尿病網膜症は2型糖尿病患者の腎予後の危険因子として考慮すべきである。糖尿病医と眼科医の情報共有が重要である。