編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Schernthaner G, Gross JL, Rosenstock J, Guarisco M, Fu M, Yee J, Kawaguchi M, Canovatchel W, Meininger G: Canagliflozin compared with sitagliptin for patients with type 2 diabetes who do not have adequate glycemic control with metformin plus sulfonylurea: a 52-week randomized trial. Diabetes Care. 2013; 36: 2508-15. [PubMed]

SU薬とmetformin投与中の患者を対象に,3剤目の経口薬としてDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬を比較した研究である。臨床的にもよく遭遇する状況での比較であり,興味深い。
本研究の結果,canagliflozinは血糖降下作用において優れていたが,本研究の対象は比較的若年の肥満の欧米人であり,個別医療を鑑みると,この結果を背景のまったく異なる日本人にあてはめられるかどうかが重要である。【綿田裕孝

●目的 metformin+スルホニル尿素(SU)薬でコントロール不良の2型糖尿病患者において,canagliflozin 300mg追加投与の有効性と安全性をsitagliptin 100mg追加投与と比較した。
一次エンドポイントはベースラインから52週後のHbA1c値の変化。
二次エンドポイントは空腹時血糖(FPG),収縮期血圧,体重,トリグリセリド,HDL-Cの変化。
●デザイン 無作為,多施設(17ヵ国,140施設),二重盲検,第III相,modified intention-to-treat解析,last observation carried forward法。
●試験期間 試験期間は2010年6月30日~2012年3月9日。
●対象患者 755例:metformin+SU薬継続投与下の18歳以上の2型糖尿病患者。
除外基準:前治療期間のFPG(繰返し測定かつ/または自己測定)≧300 mg/dL,1型糖尿病/心血管疾患/コントロール不能の高血圧の既往,スクリーニング前12週間におけるPPARγagonist・インスリン治療中・他のSGLT2阻害薬または他の血糖降下薬の使用,推算糸球体濾過量(eGFR)<55mL/分/1.73m2(metforminのlocal labelに基づく場合は<60mL/分/1.73m2),血清クレアチニン≧124μmL/L(男性)または≧115μmL/L(女性)。
●方法 プラセボrun-in期間後,対象患者をcanagliflozin群(300mg,1日1回,377例)とsitagliptin群(100mg,1日1回,378例)群に1:1にランダム化。
FPG,血清クレアチニン,eGFRが以下の基準値を満たした場合は,治療中止とした(救援治療は実施せず)。
FPG値:day 1~week 6は>270mg/dL,week 6~12は>240mg/dL,week 12~26は>200mg/dL,week 26~:はHbA1c>8.0%
血清クレアチニン:男性≧133μmol/L,女性≧124μmol/L
eGFR:<50mL/分/1.73m2(metforminのlocal labelに基づく場合は<60mL/分/1.73m2
●結果 ベースラインから52週後のHbA1c値の変化度は,canagliflozin群-1.03%,sitagliptin群-0.66%であった。群間差は-0.37%(95%信頼区間-0.50--0.25)で,これは非劣性の範囲内(0.3%),かつ優位性の範囲内(<0.0%)であることから,canagliflozinのsitagliptinに対する非劣性および優位性が示された。
52週後にHbA1c<7.0%を達成した患者は,canagliflozin群47.6%,sitagliptin群35.3%,HbA1c<6.5%を達成した患者は,それぞれ22.5%,18.9%であった。
ベースラインから52週後の変化度(最小二乗平均差)は,FPG,体重,収縮期血圧のいずれにおいても,canagliflozin群でsitagliptin群に比して有意に大きかった。
全有害事象の発生は両群で同程度で(canagflozin群76.7%,sitagliptin群77.5%),重篤な有害事象(5.6%,6.4%),有害事象による試験薬中止(2.9%,5.3%)の発生率はともに低かった。
生殖器真菌感染(男性:9.2%,0.5%,女性:15.3%,4.3%)および頻尿(1.6%,1.3%)はcanagliflozin群のほうが多かった。
●結論 metformin+SU薬でコントロール不良の2型糖尿病患者において,canagliflozinはsitagliptinに比べ,血糖コントロールおよび体重減量を改善する可能性が示唆されたが,真菌感染が増加した。