編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Roche MM, Wang PP: Sex differences in all-cause and cardiovascular mortality, hospitalization for individuals with and without diabetes, and patients with diabetes diagnosed early and late. Diabetes Care. 2013; 36: 2582-90. [PubMed]

2型糖尿病の発症は,同年代の女性に比べ男性のほうが多い。今回の研究では,女性の2型糖尿病では男性よりも心血管疾患や入院,死亡が多いことが示された。心血管疾患や脂質異常症に対して,女性では男性ほど厳しくコントロールされていない可能性がある。閉経期以降の女性では,男性よりも心血管疾患のリスクが高いことを認識して診療にあたる必要がある。【河盛隆造

●目的 性差,糖尿病の有無,および糖尿病診断の時期(早期/晩期)が,死亡リスク(全死亡,心血管死,急性心筋梗塞,脳卒中)および入院リスクに与える影響を検証した。
エンドポイントは,死亡,入院。
●デザイン 後向き,コホート。
●試験期間
●対象患者 73,783例:25歳以上の男女(男性37,790例,女性35,993例)。平均60.1歳。
●方法 カナダ(ニューファンドランド・ラブラドール州)のCanadian Chronic Diseases Surveillance System(CCDSS)のデータベースを使用(1998年4月1日~2003年3月31日)。
1998年4月1日~2003年3月31日に糖尿病の診断を受けている住民を糖尿病患者群と設定し,同期間に医療機関の診察を受けて糖尿病の診断を受けなかった住民から,糖尿病患者1人に対して性別および年齢(5年ごと)でマッチングした4人を対照として抽出し,非糖尿病群として設定した。
糖尿病患者のうち,診断日の前後6ヵ月以内に糖尿病関連合併症を認めなかった患者を「早期診断例」とし,診断日の前後6ヵ月以内に糖尿病関連合併症を認めていた患者を「晩期診断例」とし,診断時期の影響についての評価も実施した。
●結果 非糖尿病者に比べ,糖尿病患者では,男女ともに,全死亡リスク(男性:調整ハザード比[HR] 1.59[95%CI 1.51-1.69,p<0.01],女性:HR 1.85[1.74-1.96],p<0.01]),心血管死リスク(男性HR 1.50[95%CI 1.15-1.90,p<0.01],女性HR 2.45[95%CI 1.89-3.17,p<0.01]),急性心筋梗塞死リスク(男性HR 1.48[95%CI 1.19-1.83,p<0.01],女性HR 1.96[1.57-2.44,p<0.01]),および心血管疾患による入院リスク(男性HR 1.92[95%CI 1.72-2.14,p<0.01],女性HR 2.57[95%CI 2.24-2.94,p<0.01])が増加し,そのリスク増加は男性よりも女性のほうが顕著であった。
糖尿病患者のうち晩期診断例では,早期診断例に比べ,心血管死リスク(男性HR 3.44[95%CI 2.47-4.79,p<0.01],女性HR 6.54[95%CI 4.80-8.91,p<0.01])および心血管疾患による入院リスク(男性HR 3.33[95%CI 2.80-3.95,p<0.01],女性HR 5.22[95%CI 4.31-6.33,p<0.01])が増加し,そのリスク増加は男性よりも女性のほうが著明であった。
●結論 糖尿病の女性患者は男性患者に比べて死亡リスクが高い。心血管疾患は糖尿病の男性患者よりも女性患者への影響が大きく,特にその差は晩期診断例で顕著であった。