編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Caughey GE, Preiss AK, Vitry AI, Gilbert AL, Roughead EE: Comorbid diabetes and COPD: impact of corticosteroid use on diabetes complications. Diabetes Care. 2013; 36: 3009-14. [PubMed]

2型糖尿病患者の高齢化が進んでいるが,一方で加齢とともにCOPD患者も激増している。本研究より,高用量のコルチコステロイドを必要とする2型糖尿病患者では,糖尿病関連合併症による入院リスクが高いことが示された。しかし,必要に応じて十分量のコルチコステロイドを使用し,かつ糖尿病の治療を強化すべきである,とも捉えられる。【河盛隆造

●目的 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を合併する2型糖尿病患者において,コルチコステロイド治療が用量依存的に糖尿病関連合併症リスクと関連するか検討した。
エンドポイントは,糖尿病関連合併症による入院。
●デザイン 後向き,コホート,intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は2001年7月1日~2008年6月30日。
●対象患者 1,077例:新規に経口糖尿病治療薬(metforminまたはスルホニル尿素薬)投与を開始した(過去12ヵ月以内にこれらの処方を受けていない患者)COPD合併患者。
コルチコステロイド使用群724例,非使用群353例。年齢(中央値)はそれぞれ79.7歳,80.2歳,男性71.0%,70.9%。
除外基準:その他の糖尿病治療薬の使用(インスリン,その他の経口糖尿病治療薬,metformin併用)。
●方法 オーストラリアの退役軍人省,保健局の医療請求(health administrative claims)データベースのデータを使用。糖尿病治療薬を開始してから1年間におけるコルチコイドステロイドの使用量(1日服用量[DDD])を調査し,糖尿病関連合併症の発生について,コルチコイドステロイド使用者と非使用者と比較した。さらに,およびコルチコイドステロイドを使用した用量により層化し(>0~<0.25,≧0.25~<0.83,≧0.83 DDD/日),用量依存的な影響を検討した。
●結果 コルチコステロイド使用群の試験開始後12ヵ月間にわたるコルチコステロイド使用量中央値は0.34 DDD/日(四分位範囲0.11-0.83)。
糖尿病関連合併症による入院率は,試験開始から1年後(コルチコステロイド使用群6.3%[95%CI 4.01-9.63] vs. 非使用群7.1%[95%CI 5.29-9.16],p=0.37),5年後(19.8%[95%CI 18.72~23.45] vs. 16.2%[95%CI 16.91-22.84],p=0.18)ともに,有意な群間差は認められなかった。
コルチコステロイドの使用量による層別解析では,12ヵ月後の使用量が≧0.83 DDD/日であった患者(212例)では,非投与群に比べ,糖尿病関連合併症による入院リスクが有意に増加した(競合リスク:サブハザード比[SHR]1.94[95%CI 1.14-3.28],p=0.014;Cox比例ハザード比[HR]2.46[95%CI 1.45-4.18],P=0.001)。
同じく使用量が>0~<0.25 DDD/日の患者(358例)(SHR 1.13,P=0.59;HR 1.09,p=0.69),および≧0.25~<0.83 DDD/日の患者(154例)(SHR 1.58,p=0.07;HR 1.63,p=0.052)では,非使用群に対する有意な差はみられなかった。
●結論 COPDを合併する2型糖尿病患者において,コルチコステロイド高用量(≧0.83 DDD/日)使用患者においてのみ,糖尿病関連合併症による入院リスクが増加した。