編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Häring HU, Merker L, Seewaldt-Becker E, Weimer M, Meinicke T, Woerle HJ, Broedl UC; EMPA-REG METSU Trial Investigators : Empagliflozin as add-on to metformin plus sulfonylurea in patients with type 2 diabetes: a 24-week, randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Diabetes Care. 2013; 36: 3396-404. [PubMed]

わが国においても,本研究の被験薬であるempagliflozinを含めて6種類のSGLT2阻害薬の開発が行われており,おそらく2014年春以降に順次承認されると思われる。
本研究において,empagliflozinは血糖降下作用のほか,体重減少および血圧低下作用を有することが示されたが,SGLT2阻害薬の糖尿病治療における位置づけは今後市販されてから検討されることで,現時点での位置づけは困難である。
米国食品医薬品局(FDA)は,経口血糖降下薬については心血管イベントに対する影響を検証することを求めている。米国において心血管系に対するSGLT2阻害薬の安全性が検証されると,心血管疾患の少ない日本人においてはSGLT2阻害薬は使いやすくなると考えられる。【景山 茂

●目的 metformin+スルホニル尿素(SU)薬で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,ナトリウム・ グルコース共輸送体(SGLT)2阻害薬empagliflozin追加の有効性,安全性,忍容性を検討した。
一次エンドポイントは,24週後のHbA1cの変化。二次エンドポイントは,24週後の体重の変化,1日8点の平均血糖値(MDG)の変化。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(12ヵ国[カナダ,中国,フランス,ドイツ,インド,韓国,メキシコ,スロバキア,スロベニア,台湾,トルコ,米国],148施設),第III相。
●試験期間 試験期間は24週。
●対象患者 666例:metformin+SU薬治療下でHbA1c 7~10%の2型糖尿病患者。男性51%,平均57.1±9.2歳。
除外基準:コントロール不良の高血糖(空腹時血糖>239mg/dL),3ヵ月以内の急性冠症候群・脳卒中・一過性虚血発作,肝疾患,腎機能障害,metforminまたはSU薬禁忌,慢性吸収不良をきたす消化管手術,5年以内の癌既往または癌治療,造血機能障害または溶血・不安定赤血球をきたす疾患,3ヵ月以内の抗肥満薬使用,体重に影響する薬剤の使用,全身ステロイド治療,6週以内の甲状腺ホルモン用量の変化,3ヵ月以内のアルコールまたは薬剤乱用,30日以内の試験薬の使用。
●方法 対象患者をempagliflozin 10mg群(225例),25mg群(216例),プラセボ群(225例)に1:1:1に無作為割り付け。empagliflozinは,1日1回(朝)に服用。
●結果 24週後のHbA1cの調整平均変化は,プラセボ群(-0.17%)に比し,empagliflozin 10mg群(-0.82%)と25mg群(-0.77%)で有意に大きかった(いずれもp<0.001)。MDG,体重,収縮期血圧の低下も,empagliflozinでプラセボより有意に大きかった。
有害事象の発生率は,プラセボ群62.7%,empagliflozin 10mg群67.9%,25mg群64.1%であった。尿路感染症はそれぞれ8.0%,10.3%,8.3%(女性では13.3%,18.0%,17.5%,男性では2.7%,2.7%,0%)。性器感染症はそれぞれ0.9%,2.7%,2.3%(女性では0.9%,4.5%,3.9%,男性ではいずれも0.9%)であった。
●結論 2型糖尿病患者において,metformin+SU薬への24週のempagliflozin(10mg,25mg)の追加は,血糖コントロール,体重,収縮期血圧を改善し,忍容性は良好であった。