編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Cefalu WT, Leiter LA, Yoon KH, Arias P, Niskanen L, Xie J, Balis DA, Canovatchel W, Meininger G: Efficacy and safety of canagliflozin versus glimepiride in patients with type 2 diabetes inadequately controlled with metformin (CANTATA-SU): 52 week results from a randomised, double-blind, phase 3 non-inferiority trial. Lancet. 2013; 382: 941-50. [PubMed]

本研究で興味深いのは,登録例の一部の患者の体組成を測定している点であるcanagliflozinは体重を減少させるが,その減少の3分の2は脂肪重量で,3分の1は除脂肪重量であったことが明らかになっている。除脂肪重量とは,つまり筋肉量と骨量の低下が認められたということである。骨量低下は長期的には骨折のリスクにつながる可能性もあり,筋肉量低下はsarcopenic obesityの病態悪化を招くという懸念もある。
副作用の頻度はcanagliflozin群とglimepiride群で有意差はないが,canagliflozi群では陰部真菌感染症の頻度が増加した。日本の糖尿病臨床において,とくに女性は陰部感染の症状などを医師に申告しない場合もあるため,注意が必要であろう。
本研究のデータを総合すると,若年で肥満の糖尿病患者はSGLT2阻害薬のよい適応かもしれないが,高齢で腎機能の低下している患者はあまりよい適応ではない可能性がある。腎機能低下例では,薬剤の作用機序から推定されるとおり,HbA1c低下効果が低いことが知られており,実際,本研究においても腎機能低下例は対象患者から除外されている。【綿田裕孝

●目的 metforminで血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,SGLT2阻害薬canagliflozinの有効性と安全性をglimepirideと比較した。
一次エンドポイントはベースラインから52週後のHbA1c値の変化。
●デザイン 無作為,多施設(19ヵ国,157施設),二重盲検,非劣性,第III相。modified intention-to-treat解析,last-observation-carried-forward法。
●試験期間 登録期間は2009年8月28日~2011年12月21日,試験期間は52週。
●対象患者 1450例:18~80歳の2型糖尿病患者。10週間以上のmetformin安定用量(≧2000mg/日[高用量不応の場合は≧1500mg/日])服用下で血糖コントロール不十分の例。平均56.2歳,平均HbA1c 7.0~9.5%。
除外基準:過去6ヵ月以内の低血糖イベント既往,前治療期間に複数回の測定で空腹時血糖>15.0mmol/L,eGFR<55mL/分/1.73m2(地域でのmetformin使用制限に基づいた場合は<60mL/分/173m2,クレアチニン値≧124μmol/L(男性)または>115μmol/L(女性),スクリーニング前16週以内のチアゾリジンジオン服用。
●方法 2週間のプラセボrun-in期間後,対象患者をcanagliflozin 100mg群(483例),canagliflozin 300mg群(485例),glimepiride群(482例)に1:1:1にランダム化。
glimepiride群では6mgまたは8mgを服用。
●結果 一次エンドポイントであるベースラインから52週後のHbA1c値の変化度(最小二乗平均)は,canagliflozin 100mg群-0.82%,canagliflozin 300mg群-0.93%,glimepiride群-0.81%であった。
52週後までのHbA1c値の低下効果において,canagliflozin 100mgのglimepirideに対する非劣性を認め(群間差-0.01%,95%CI -0.11 to 0.09),canagliflozin 300mgのglimepirideに対する優位性が示された(群間差-0.12%,95%CI -0.22 to -0.02)。
重篤な有害事象の発生率はglimepiride群8%,canagliflozin 100mg群5%,canagliflozin 300mg群5%であり,群間差はみられなかった。canagliflozin 100mg群,300mg群ともにglimepiride群に比して,生殖器マイコプラズマ感染症,尿路感染症,浸透圧利尿関連イベント(osmotic diuresis-related events)の発症が多かった。
●結論 metforminで血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,SGLT2阻害薬canagliflozinはglimepirideよりもHbA1c値を低下させ,忍容性も良好であった。