編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年2月現在,1152報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Barnett AH, Huisman H, Jones R, von Eynatten M, Patel S, Woerle HJ: Linagliptin for patients aged 70 years or older with type 2 diabetes inadequately controlled with common antidiabetes treatments: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet. 2013; 382: 1413-23. [PubMed]

現在,2型糖尿病に対する治療薬は数多く存在するが,高齢者に安全に使用できる薬剤に限定すると,その種類は限られている。
DPP-4阻害薬は,そのプロファイルから高齢患者への使用に向いていると考えられる。本研究では高齢の2型糖尿病患者のみを対象として検討を行い,DPP-4阻害薬の有効性と安全性を示した。
社会の高齢化が進むなか,今後もこのような研究が必要とされるだろう。【綿田裕孝

●目的 70歳以上で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,DPP-4阻害薬linagliptinの有効性,安全性,および忍容性を検討した。
一次エンドポイントはベースラインから24週後のHbA1c値の変化。
●デザイン 無作為,多施設(5ヵ国,33施設),二重盲検,第III相。full-analysis-set解析,last-observation-carried-forward法。
●試験期間 登録期間は2010年3月10日~2011年6月22日。試験期間は24週。
●対象患者 241例(full-analysis-setは238例):metformin,sulfonylureas,または基礎インスリンを単独/併用治療下(安定用量,8週間以上)で血糖コントロール不良(≧7.0%)の70歳以上の2型糖尿病患者。平均年齢74.9歳(75歳以上は44.4%),平均HbA1c 7.8%,平均BMI 29.7kg/m2
除外基準:空腹時血糖>13.3mmol/L,肝機能障害(ALT,AST,またはALPが正常値上限の3倍超),試験参加前3ヵ月以内の心筋梗塞・脳卒中・一過性脳虚血発作,肥満手術歴,即効型インスリン・混合型インスリンまたはインスリン全身投与(systemic insulin)による治療中,3ヵ月以内のチアゾリジンジオン・α-グルコシダーゼ阻害剤・meglitinide・GLP-1アナログ・DPP-4阻害薬または抗肥満薬による治療。
●方法 2週間のプラセボrun-in期間後,対象患者をlinagliptin群(5mg,1日1回経口投与,162例)とプラセボ群(79例)に2:1にランダム化。
両群ともに,既存の治療薬に追加投与。
●結果 一次エンドポイントであるベースラインから24週後のHbA1c値の平均変化は,linagliptin群-0.61%,プラセボ群0.04%であり,有意な差が認められた(群間差-0.64%,95%CI -0.81 to -0.48,p<0.0001)。24週後にHbA1c<7.0%を達成した患者の割合も,linaglitin群のほうが有意に高かった(38.9% vs. 8.3%,オッズ比[OR] 8.32,95%CI 3.32 to 20.84,p<0.0001)。
重篤な有害事象はlinagliptin群8.6%,プラセボ群6.3%で,死亡は認められなかった。両群でもっとも多い有害事象は,低血糖症であった(24.1% vs. 16.5%,OR 1.58,95%CI 0.78 to 3.78,p=0.2083)。
●結論 血糖コントロール不良の70歳以上の2型糖尿病患者において,linagliptinはプラセボに比した有意な血糖降下作用を認め,安全性はプラセボと同等であった。