編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ushigome E, Fukui M, Hamaguchi M, Matsumoto S, Mineoka Y, Nakanishi N, Senmaru T, Yamazaki M, Hasegawa G, Nakamura N: Morning pulse pressure is associated more strongly with elevated albuminuria than systolic blood pressure in patients with type 2 diabetes mellitus: post hoc analysis of a cross-sectional multicenter study. Diabetes Res Clin Pract. 2013; 101: 270-7. [PubMed]

糖尿病患者における細小血管障害の発症予測に,家庭血圧のほうが診察室血圧よりも有用であることはすでに多くの報告がある。また,心血管疾患の予測には,SBPやDBPよりも脈圧が有用であることも,フラミンガム研究などの結果から明らかである。今回の報告は,早朝や夕方に家庭で測定したSBPが,脈圧やUACR対数と有意に関連することを示し,微量アルブミン尿への進展に,早朝SBPよりも早朝脈圧が有意に大きな予測能を有することをROCカーブの分析から明らかにしている。本検討からは,微量アルブミン尿の進展に,SBPよりも脈圧が関与する機序はかならずしも明らかではないが,血管内皮機能の異常などが考えられ,今後の検討が必要である。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,家庭で測定した脈圧とアルブミン尿の関連を検討した。
●デザイン 多施設共同横断研究の事後解析。
●試験期間 -
●対象患者 858例:2型糖尿病患者。男性464例,女性394例,平均65.3±9.8歳,平均HbA1c 7.2±1.0%。
●方法 連続した14日間,家庭血圧を測定。
早朝または夕方の収縮期血圧(SBP)または脈圧と,尿中アルブミン-クレアチニン比(UACR)の関連を検討。
さらに,SBPまたは脈圧のROC曲線下面積(AUC)を測定し,アルブミン尿上昇(UACR≧30mg/gCre)の特定能を比較。
●結果 性別,年齢,糖尿病罹病期間,BMI,HbA1c,LDLコレステロール,クレアチニン対数,降圧薬使用,早朝SBP,早朝脈圧,夕方のSBP,夕方の脈圧を調整後,多変量解析により早朝SBP(β=0.339,p<0.001),早朝脈圧(β=0.378,p<0.001),夕方のSBP(β=0.279,p<0.001),夕方の脈圧(β=0.290,p<0.001)は,UACR対数と有意に関連することが示された。
アルブミン尿上昇についてのAUCは,早朝SBPは0.668(95%CI 0.632-0.705,p<0.001),早朝脈圧は0.694(95%CI 0.659-0.730,p<0.001)であった。早朝脈圧のAUCは早朝SBPのAUCよりも有意に大きかった(p=0.040)。
●結論 2型糖尿病患者において,早朝脈圧はアルブミン尿上昇と関連したことから,早朝脈圧を低下させることにより,糖尿病腎症の発症および進展が予防できることが示唆された。