編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Penno G, Solini A, Bonora E, Fondelli C, Orsi E, Zerbini G, Morano S, Cavalot F, Lamacchia O, Laviola L, et al.; Renal Insufficiency And Cardiovascular Events Study Group : HbA1c variability as an independent correlate of nephropathy, but not retinopathy, in patients with type 2 diabetes: the Renal Insufficiency And Cardiovascular Events (RIACE) Italian multicenter study. Diabetes Care. 2013; 36: 2301-10. [PubMed]

HbA1c変動性と細小血管合併症の関連を検討した重要な報告である。糖尿病腎症における
日本と台湾の検討では,微量アルブミン尿の発症に平均HbA1cとは独立してHbA1c変動性が関与することが,すでに報告されている。今回の検討は,マクロアルブミン尿,eGFR低下,ステージ3~5のアルブミン尿性CKD発症の予測にも,平均HbA1cに加えてHbA1c変動性が関与することを明らかにした点で興味深い。さらに,網膜症の発症には平均HbA1cが主に関与し,アルブミン尿を伴わないCKDの発症には平均HbA1cも HbA1c変動性も関わらないことが示唆された。1型糖尿病では,網膜症の発症・進展には平均HbA1cよりもHbA1c変動性が関与することが報告されている。今回の2型糖尿病での検討結果が異なることは,2型糖尿病でのHbA1c変動性がそう大きくないためなのかもしれないが,さらなる検討が必要である。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,HbA1c変動性と細小血管合併症の関連を検討した。
●デザイン コホート(イタリア,9施設)。
●試験期間 登録期間は2007~2008年。
●対象患者 8,260例:RIACE Italian Multicenter Studyに参加した2型糖尿病患者(19施設の15,773例)のうち,登録前2年間に3~5回のHbA1c測定を行った患者。
除外基準:透析,腎移植。
●方法 各患者につき平均4.52±0.76回のHbA1c測定を行い,HbA1c変動性を評価。
散瞳眼底検査により糖尿病網膜症(DR)を評価,アルブミン尿により慢性腎臓病(CKD)を評価,血清クレアチニンにより推算糸球体濾過量(eGFR)を算出。
●結果 平均HbA1c中央値は7.57%(四分位範囲6.86~8.38),HbA1c-SD中央値は0.46%(四分位範囲0.29~0.74)であった。
微量アルブミン尿,マクロアルブミン尿,eGFR低下,アルブミン尿を伴うCKD,進行DRの有病率は,平均HbA1cとHbA1c-SDが中央値よりも高い患者で最も高く,中央値よりも低い患者で最も低かった。
ロジスティック回帰分析において,微量アルブミン尿とステージ1~2のCKDの独立関連因子として平均HbA1cにHbA1c-SDを追加することにより,マクロアルブミン尿,eGFR低下,ステージ3~5のアルブミン尿を伴うCKD発症が独立して予測できたが,平均HbA1c単独では予測できなかった。DR発症については,平均HbA1cのみが予測因子であり,アルブミン尿を伴わないCKDの発症については,平均HbA1cとHbA1c-SDのいずれも予測因子ではなかった。
●結論 2型糖尿病患者において,HbA1c変動性は平均HbA1cよりもCKD発症を予測し,平均HbA1cはDR発症を予測したことから,HbA1cの平均とSDの細小血管合併症への影響は異なることが示唆された。