編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tanaka S, Yoshimura Y, Kamada C, Tanaka S, Horikawa C, Okumura R, Ito H, Ohashi Y, Akanuma Y, Yamada N, et al.; Japan Diabetes Complications Study Group : Intakes of dietary fiber, vegetables, and fruits and incidence of cardiovascular disease in Japanese patients with type 2 diabetes. Diabetes Care. 2013; 36: 3916-22. [PubMed]

本研究は前向きコホート研究で,食物繊維の摂取量と脳卒中発症率が逆相関することを示した貴重なデータである。
この結果のメカニズムに関しては今後の検討が必要であるが,実臨床の栄養指導において,本結果を積極的に活用すべきであろう。【綿田裕孝

●目的 日本人の2型糖尿病患者において,食物繊維(水溶性食物繊維,不溶性食物繊維),野菜,および果実の摂取量と,脳卒中発症および冠動脈性心疾患(CHD)発症との関連を検討した。
●デザイン コホート(無作為化比較試験JDCSのサブ解析),多施設(59施設,日本)。
●試験期間 登録期間は1995年1月~1996年3月,追跡期間(中央値)は8.1年(2003年3月まで)。
●対象患者 1,414例:40~70歳,HbA1c≧6.5%の2型糖尿病患者。
除外基準:耐糖能異常,狭心症・心筋梗塞・脳卒中・末梢動脈疾患・家族性高コレステロール血症・3型高脂血症・ネフローゼ症候群の既往,血清中クレアチニン値>1.3mg/dL。
●方法 本解析では,対象患者を食事による1日の総食物繊維摂取量の四分位ごとに分け(Q1[対照:平均8.7±1.6g]: 352例,Q2[12.5±0.9g]:349例,Q3[15.8±1.0g]: 353例,Q4[21.8±4.0g]: 360例),Cox回帰モデルを用いて,脳卒中およびCHD発症のハザード比(HR)を算出した。年齢,性別,BMI,HbA1c,糖尿病罹病期間,糖尿病性網膜症,インスリンによる治療,経口血糖降下薬による治療,収縮期血圧,LDLコレステロール,トリグリセリド,喫煙,身体活動,アルコール摂取,総脂肪・飽和脂肪酸・n-6脂肪酸・n-3脂肪酸の割合,食事性コレステロール,ナトリウム摂取量,および総エネルギー摂取量により調整。
1日の水溶性食物繊維摂取量平均値はQ1で2.1±0.4g,Q2で2.9±0.2g,Q3で3.7±0.3g,Q4で5.1±1.2g,不溶性食物繊維平均値はQ1で6.3±1.2g,Q2で9.0±0.7g,Q3で11.4±0.9g,Q4で15.8±2.9,野菜・果実摂取量平均値はQ1で228.7±84.0g,Q2で371.9±83.0g,Q3で499.0±93.8g,Q4で721.4±197.3g。
●結果 脳卒中発症リスクは,食物繊維摂取量CQ1に比したCQ4のHRは0.39(95%信頼区間[CI] 0.12-1.29,p=0.12),野菜と果実の摂取量Q1に比したCQ4のHRは0.35(95%CI 0.13-0.96,p=0.04)であった。
水溶性食物繊維1g摂取増加ごとの脳卒中のHRは0.48(95%CI 0.30-0.79,p<0.01)であり,総食物繊維摂取量1g摂取増加(HR 0.82,95%CI 0.73-0.93,p<0.01)および不溶性食物繊維摂取1g増加(HR 0.79,95%CI 0.68-0.93,p<0.01)よりも,リスクの低下が著しかった。
CHD発症と食物繊維摂取量または野菜・果実摂取量との関連については,摂取量の四分位ごとの評価,および摂取量1g増加ごとの評価のいずれにおいても,有意な関連は認められなかった。
●結論 2型糖尿病患者において,食物繊維,特に水溶性食物繊維,および野菜・果実の摂取量が増加すると,脳卒中発症リスクが低下したが,CHD発症リスクには影響しなかった。