編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ferrannini E, Berk A, Hantel S, Pinnetti S, Hach T, Woerle HJ, Broedl UC: Long-term safety and efficacy of empagliflozin, sitagliptin, and metformin: an active-controlled, parallel-group, randomized, 78-week open-label extension study in patients with type 2 diabetes. Diabetes Care. 2013; 36: 4015-21. [PubMed]

本検討では,empagliflozinの有効性と安全性について検討している。その結果,治験という状況下でempagliflozinは確実にHbA1cを低下させ,低血糖の副作用の頻度が低いことが示された。
しかしながら,本試験の解釈にあたっては,あくまでも治験にリクルートされた症例を対象としており,実臨床とは異なる対象者であること,また安全性を担保するには症例数が十分でないことを考慮すべきである。【綿田裕孝

●目的 2型糖尿病患者において,sitagliptin,metformin,およびSGLT2阻害薬empagliflozinの長期安全性と有効性を検討した。
●デザイン 延長試験,ランダム化,オープン,多施設(132施設,21ヵ国[オーストリア,クロアチア,チェコスロバキア,エストニア,フィンランド,フランス,ドイツ,ハンガリー,イタリア,韓国,ラトビア,リトアニア,ノルウェー,ルーマニア,ロシア,スロバキア,スペイン,スウェーデン,台湾,ウクライナ,アメリカ]),第IIb相。
●試験期間 試験延長期間は78週,用量設定試験(元試験)と合わせて90週(用量設定試験は12週)。
●対象患者 659例:2型糖尿病患者。12週間の用量設定試験(study 1または2)を完遂した患者。
用量設定試験の採用基準:2型糖尿病の男女,年齢18~79歳,BMI≦40kg/m2,血糖コントロール不十分(HbA1c≧7.0~<10.0%)。
●方法 用量設定試験の介入:未治療例(study 1)と治療例(metformin IRの安定投与量が得られている患者)(study 2)に分けて実施。study 1では,empagliflozin 5mg群,empagliflozin 10mg群,empagliflozin 25mg群,プラセボ群,およびmetformin IR群(最大1000mg 1日2回,または最大耐量)に無作為割付け。empagliflozinは1日1回投与とし,全群12週間実施。empagliflozinとプラセボ群は二重盲検,metformin IR群はオープンラベル。
study 2では,empagliflozin 1mg群,empagliflozin 5mg群,empagliflozin 10mg群,empagliflozin 25mg群,empagliflozin 50mg群,プラセボ群,およびsitagliptin群(100mg)に無作為割付け。いずれも1日1回投与とし,12週間実施。empagliflozin,プラセボ群は二重盲検,sitagliptin群はオープンラベル。

本延長試験では,study 1または2で対照(metformin単独,metformi+sitagliptin追加)に割付けられた患者,およびempagliflozin 10mgまたは25mgに割付けされた患者は,さらに78週間,同治療を継続。プラセボまたはempagliflozin 1mg,5mg,50mgに割付けされた患者は,empagliflozin 10mgまたは25mgに再度ランダム化し,78週間実施。

延長試験での内訳は以下のとおり:empagliflozin 10mg群(106例),empagliflozin 25mg群(109例),metformin単独群(56例),metformin+empagliflozin 10mg群(166例),metformin+empagliflozin 25mg群(166例),metformin+sitagliptin追加群(56例)。
●結果 HbA1c値のベースラインから90日後の変化は,empagliflozin投与群では-0.34 to -0.63%(-3.7 to -6.9mmol/mol),metformin群では-0.56%(-6.1mmol/mol),sitagliptin群では-0.40%(-4.4mmol/mol)であった。体重のベースラインから90日後の変化は,empagliflozin群で-2.2 to -4.0kg,metformin群で-1.3kg,sitagliptin群では-0.4kgであった。
有害事象の発生は,empagliflozin群で63.2~74.1%,metformin単独群またはmetformin+sitagliptin追加群ではともに69.6%であり,ほとんどが軽度~中等度の事象であった。低血糖イベントの発生は全群でまれであり,ケアが必要なものはなかった。重篤な有害事象はempagliflozin群で2.4~6.6%,metformin単独群で7.1%,metformin+sitagliptin追加投与群で8.9%であった。
性器感染はempagliflozin群で3.0~5.5%,metformin単独群で1.8%,metformin+sitagliptin追加群ではみられなかった。尿路感染症は,それぞれ3.8~12.7%,3.6%,12.5%であった。
●結論 2型糖尿病患者において,長期のempagliflozin治療は血糖値および体重コントロールを維持し,忍容性は良好で,低血糖リスクも低かった。