編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Muraki I, Imamura F, Manson JE, Hu FB, Willett WC, van Dam RM, Sun Q: Fruit consumption and risk of type 2 diabetes: results from three prospective longitudinal cohort studies. BMJ. 2013; 347: f5001. [PubMed]

本論文は,米国における医療従事者を対象とした,3つの大規模コホートのデータを用い,果物の摂取と2型糖尿病の新規発症との関連を検討したものである。
解析対象者は実に19万人にも及ぶが,解析の結果,果物摂取は2型糖尿病の新規発症に弱いながらも予防的にはたらくことが明らかになった。
本論文のメッセージとして興味深いのは,果物においても,とくにブルーベリー,グレープ,リンゴなどは予防効果が高く,果物のジュースや一部の果物では逆に発症を増やすということである。
その詳細なメカニズムが解明されることが期待されるが,すでに発症した糖尿病患者における食事療法において,本研究の結果を取り入れることが有効か否かも検討する必要がある。【西村理明

●目的 果物の摂取が2型糖尿病発症に与える影響について検討した。
●デザイン 前向きコホート研究。
●試験期間 追跡期間は3,464,641人・年。
●対象患者 米国の医療従事者を対象とした3つのコホート研究の参加者。
Nurses’ Health Study 66,105例,Nurses’ Health Study II 85,104例,Health Professionals Follow-up Study 36,173例。
除外基準:糖尿病(1型,2型,および妊娠糖尿病)/心血管疾患/癌を有する例,果物および果物ジュースの摂取に関するデータがない例,総エネルギー摂取量が異常な例(500kcal未満または3500kcal以上/日[Nurses’ Health Study,Nurses’ Health Study II],800 kcal未満または4200kcal以上/日[Health Professionals Follow-up Study]),2型糖尿病の診断日が不明な例,ベースラインの質問票のみ回答した例。
●方法 質問票により,1日3度の食事における,各食品の摂取頻度と摂取量について,「摂取しない,または摂取頻度1回未満/日」から「摂取頻度6回以上/日」に至る9項目からの選択により調査。10種類の果物(グレープ/レーズン,桃/プラム/アプリコット,プルーン,バナナ,メロン,リンゴ/梨,オレンジ,グレープフルーツ,イチゴ,ブルーベリー)およびスイカの全摂取量および各摂取量,および果物ジュース(リンゴ,オレンジ,グレープフルーツ,その他)と2型糖尿病発症リスクについて,Cox比例ハザード回帰を用いて,ハザード比(HR)を算出した。
ハザード比は年齢,民族,BMI,喫煙状況,マルチビタミン剤の服用,身体活動,糖尿病の家族歴,閉経状況および閉経後のホルモン使用,経口避妊薬の使用,全エネルギー摂取量[kcal/日],果物ジュース摂取量[1未満,1,2~4,5~6,7サービング以上/週],およびmodified alternate healthy eating index scoreにより調整した。個々の果物摂取量は相互に調整し,果物ジュースの評価ではさらに全果物摂取量で調整した。
●結果 追跡期間中に12,198例が糖尿病を発症した。
全果物を合わせた摂取量は,2型糖尿病発症のリスク低下と弱い関連を示した(調整HR 0.98,95%信頼区間0.97-0.99,P for trend 0.003)。
各果物の摂取量増加(週に3回)による2型糖尿病発症リスクは,ブルーベリーでは統合HR 0.74(95%信頼区間0.66-0.83),グレープ/レーズンでは0.88(0.83-0.93),リンゴ/梨では0.93(0.90-0.96),バナナでは0.95(0.91-0.98),グレープフルーツでは0.95(0.91-0.99)と有意なリスク低下が認められた。その一方,メロンの摂取量増加による2型糖尿病発症の統合HRは1.10(1.02-1.18)であった。
一方,果物ジュース(リンゴ,オレンジ,他)の摂取量増加による2型糖尿病発症の調整HRは1.07(1.04-1.09)となった。
果物摂取量増加による2型糖尿病発症リスクについて,果物間での不均一性が認められた(全コホート,P<0.001)。
●結論 ブルーベリー,グレープ,およびリンゴなどの特定の果物については,摂取量が増加すると2型糖尿病発症リスクが低下した。その一方では,果物ジュースの摂取量が増加すると2型糖尿病発症リスクが上昇した。