編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Miller ME, Williamson JD, Gerstein HC, Byington RP, Cushman WC, Ginsberg HN, Ambrosius WT, Lovato L, Applegate WB; ACCORD Investigators : Effects of randomization to intensive glucose control on adverse events, cardiovascular disease, and mortality in older versus younger adults in the ACCORD Trial. Diabetes Care. 2014; 37: 634-43. [PubMed]

2型糖尿病における血糖コントロールの大血管障害予防効果は,UKPDSにより検証されている。とりわけ,試験終了から約10年後の調査においても,試験終了後には強化療法群と従来療法群との間に血糖コントロールレベルの差がなかったにもかかわらず,試験期間中に強化療法群に割り付けられた患者では,細小血管障害のみならず大血管障害も少なく,この現象は“lgacy effect(レガシー効果)”と呼ばれている。
 一方,ACCORD, ADVANCE, VADT研究では,厳格な血糖コントロールの大血管障害に対する効果は認められなかった。これらの研究の参加者の罹病期間は10年前後と長く,UKPDSでは新規発症糖尿病を対象にしている。こうした差異が大血管障害予防に異なった効果をもたらしたと推測されている。
65歳以上の高齢者では重症低血糖の頻度が高く,高齢者における血糖コントロール目標については慎重さが求められる。【景山 茂

●目的 2型糖尿病患者において,主要心血管アウトカム,死亡,重度有害事象に対する強化血糖コントロールと標準血糖コントロールの効果を,高齢者と若年者で比較した。ACCORDのサブ解析。
●デザイン 無作為化比較試験のサブ解析。
●試験期間 追跡期間は平均3.7年。
●対象患者 2型糖尿病患者10,251例。平均62歳,糖尿病罹病期間の中央値10年,HbAc1≧7.5%(中央値8.1%)。
●方法 ACCORDでは,強化血糖コントロール群(目標HbA1c<6.0%)または標準血糖コントロール群(目標HbA1c 7.0~7.9%)に無作為割り付け。
本サブ解析では,若年者(<65歳:6,776例)と高齢者(≧65歳:3,475例)でアウトカムを比較。
●結果 高齢者と若年者で,強化血糖コントロール群の達成HbA1cレベルおよびHbA1cの群間差は同等であった。
心血管死に対する影響は,高齢者では強化血糖コントロール群と標準血糖コントロール群で差がなかったが(オッズ比0.97),若年者では強化血糖コントロール群でリスクが上昇し(オッズ比1.71),高齢者と若年者で有意差を認めた(p=0.03)。
高齢者では治療にかかわらず若年者よりも重症低血糖の発症頻度が高かった。各群での発症頻度の内訳は,高齢者で強化血糖コントロール群4.45%,標準血糖コントロール群1.36%,若年者で強化血糖コントロール群2.45%,標準血糖コントロール群0.80%であった。
●結論 2型糖尿病患者において,若年者では強化血糖コントロールにより心血管死と全死亡リスクが上昇したが,高齢者ではリスク上昇を認めなかった。高齢者では治療にかかわらず,若年者より重度低血糖発生率が上昇していた。