編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Mulvey CK, McNeill AM, Girman CJ, Churchill TW, Terembula K, Ferguson JF, Shah R, Mehta NN, Qasim AN, Rickels MR, et al.: Differential associations of oral glucose tolerance test-derived measures of insulin sensitivity and pancreatic β-cell function with coronary artery calcification and microalbuminuria in type 2 diabetes. Diabetes Care. 2014; 37: 124-33. [PubMed]

すでに2型糖尿病を発症し,薬剤治療下の症例に対してOGTTを行い血中インスリンレベルを観察すると,どのようなことが判明するか。その時点でのインスリン分泌動態,分泌されたインスリンによる肝・筋でのブドウ糖処理状況が把握できることになるだろう。
今回の研究では,OGTT時のインスリン感受性が高い,すなわち内因性インスリンによる臓器のブドウ糖処理能が高い例では冠動脈石灰化が少ないこと,また血糖上昇時のインスリン分泌が高い例では微量アルブミン排泄量は少ないことが示唆された。【河盛隆造

●目的 心血管疾患または腎疾患を認めない2型糖尿病患者において,経口糖負荷試験(OGTT)で評価したインスリン感受性および膵β細胞機能と合併症発生率の関連を検討した。PDHSのサブ解析。
●デザイン 横断研究。
●試験期間 登録期間は2007~2011年。
●対象患者 672例:PDHSで75g OGTTを行った2型糖尿病患者。平均59±8歳,男性67%,白人60%。
登録基準:>40歳,診断時年齢>35歳,空腹時血糖値>126mg/dL,食後2時間血糖値>200mg/dL,経口血糖降下薬またはインスリンの使用。
除外基準:臨床的心血管疾患,血清クレアチニン値>2.5mg/dL。
●方法 Matsudaインスリン感受性指数(ISI)によりインスリン感受性を評価,インスリン分泌指数(IGI)によりβ細胞機能を推定。各指数の計算式は,ISI=10000/(空腹時血糖値×空腹時インスリン値×OGTT血糖値×OGTTインスリン値),IGI=OGTT30分インスリン値-空腹時インスリン値/OGTT30分血糖値-空腹時血糖値。
多変量モデルを用いて,ISIおよびIGIの四分位と冠動脈石灰化(CAC)および微量アルブミン尿の関連を解析した。
●結果 IGIとMatsuda ISIには,心代謝リスク因子との著明な関連が認められた。
年齢,人種,性別,運動,現在の飲酒,高感度C反応性タンパク質,総コレステロールに基づくフラミンガムリスクスコア(FRS),微量アルブミン尿,薬剤,糖尿病罹病期間を調整後,Matsuda ISIの第4四分位(中央値4.84)はCACと逆関連(Tobit比-0.78,95%CI-1.51 to -0.05,p=0.035)を示したが,IGIとCACの関連は認められなかった。
年齢,人種,性別,高血圧既往,HbA1c,総コレステロールに基づくFRS,薬剤を調整後,IGIの第4四分位(中央値0.80)は微量アルブミン尿リスクの有意な低下と関連したが(オッズ比0.52,95%CI 0.30 to 0.91,p=0.022),糖尿病罹病期間をモデルに含めると,この関連は減弱した。Matsuda ISIでは微量アルブミン尿リスクとの関連は認められなかった。
●結論 2型糖尿病患者において,β細胞機能低下は微量アルブミン尿と関連し,インスリン感受性低下はCACと関連した。