編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tsuda A, Ishimura E, Ohno Y, Ichii M, Nakatani S, Machida Y, Mori K, Uchida J, Fukumoto S, Emoto M, et al.: Poor glycemic control is a major factor in the overestimation of glomerular filtration rate in diabetic patients. Diabetes Care. 2014; 37: 596-603. [PubMed]

糖尿病患者においては,血清クレアチニンや血清シスタチンCに基づいて算出されるeGFRは,腎機能を過大に評価している。とくに,血糖コントロールが不良となるにしたがってその傾向が著しいことが明らかにされ,HbA1cで補正したeGFRの臨床的有用性が示された。【片山茂裕

●目的 糖尿病患者における腎機能の過大評価に関連する因子を検討し,正確な推算糸球体濾過量(eGFR)を反映する計算式を作成した。
●デザイン 無作為,単施設(日本)。
●試験期間 試験期間は2009年1月~2013年3月。
●対象患者 80例:糖尿病患者40例,非糖尿病患者40例。56.5±15.4歳,男性35例,女性45例。
登録基準:ステージ1~5の慢性腎臓病,透析非実施。
除外基準:尿細管クレアチニン分泌に影響する可能性のある薬剤の服用,シスタチンC代謝に影響する可能性のある甲状腺機能障害。
●方法 イヌリン・クリアランス(Cin)によりGFRを評価し,血清クレアチニンと血清シスタチンCに基づいてeGFRを算出。
糖尿病患者におけるeGFRとCinの解離に関連する因子を評価し,血清クレアチニン,血清シスタチンC,血清クレアチニン+シスタチンCに基づく3種類のeGFRとCinの一致度を比較した。
●結果 糖尿病患者と非糖尿病患者でCinに有意差はなかったが(p=0.2866),3種類のeGFRは糖尿病患者で非糖尿病患者より有意に高値であった(p<0.01)。
各eGFRとCin,HbA1c,糖化アルブミンには有意な正の相関が認められた。糖尿病患者のクラス内相関係数は,非糖尿病患者より弱く,糖尿病患者における各eGFR値とCinの回帰線切片は,糖尿病患者で非糖尿病患者より有意に高値であった。
血糖コントロール指標により補正した新規のeGFR算出式は,特に糖尿病患者において,従来のeGFR算出式よりも良好であった。
●結論 血糖コントロールが不良となるにしたがって,eGFRはCinを過大評価していた。HbA1cで補正したeGFRの臨床的有用性と実現可能性が示された。