編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Cheng J, Zhang W, Zhang X, Han F, Li X, He X, Li Q, Chen J: Effect of angiotensin-converting enzyme inhibitors and angiotensin II receptor blockers on all-cause mortality, cardiovascular deaths, and cardiovascular events in patients with diabetes mellitus: a meta-analysis. JAMA Intern Med. 2014; 174: 773-85. [PubMed]

日本人の糖尿病合併高血圧患者に対する薬物療法における第一選択薬はACE阻害薬とARBであるが,圧倒的にARBの使用例が多い。そうしたなかで今回のデータは,ACE阻害薬とARBによるアウトカムの差を明確に示しており,今後,日本の高血圧ガイドラインに対して影響を与える可能性もあると考えられる。【綿田裕孝

●目的 糖尿病患者において,全死亡,心血管(CV)死,主要CVイベントに対するACE阻害薬とAII受容体拮抗薬(ARB)の効果を検討した。
一次エンドポイントは,全死亡,CV死。二次エンドポイントは,主要CVイベント(CV死,非致死的心筋梗塞[MI]および脳卒中,うっ血性心不全,冠動脈バイパス術,経皮的冠インターベンション)。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間 -
●対象患者 56,694例:糖尿病患者。
●方法 1966~2012年のMEDLINE,1988~2012年のEMBASE,Cochrane Central Register of Controlled Trials,学会抄録,参考文献リストを用いて,糖尿病患者において全死亡,CV死,主要CVイベントに対するACE阻害薬とARBの効果を検討した観察期間≧12ヵ月の無作為化比較試験(RCT)を検索(クロスオーバー試験は除外)。
●結果 ACE阻害薬についてのRCT 23件(32827例),ARBについてのRCT 13件(23867例)を解析。
ACE阻害薬はプラセボまたは実薬対照に比し,全死亡リスクを13%低下(相対リスク[RR]0.87,95%CI 0.78-0.98),CV死リスクを17%低下(RR 0.83,95%CI 0.70-0.99),主要CVイベントリスクを14%低下(RR 0.86,95%CI 0.77-0.95),MIリスクを21%低下(RR 0.79,95%CI 0.65-0.95),心不全リスクを19%低下させた(RR 0.81,95%CI 0.71-0.93)。
ARBによる有意なリスク低下は認めず,全死亡のRRは0.94(95%CI 0.82-1.08),CV死のRRは1.21(95%CI 0.81-1.80),主要CVイベントのRRは0.94(95%CI 0.85-1.01)であったが,心不全リスクは低下した(RR 0.70,95%CI 0.59-0.82)。
両薬剤ともに脳卒中リスクに対する効果はみられなかった。
全死亡とCV死に対するACE阻害薬の効果において,ベースラインの血圧および蛋白尿,薬剤の種類,DMのタイプによる有意な変化は認めなかった。
●結論 糖尿病患者において,ACE阻害薬は全死亡,CV死,主要CVイベントを減少させるが,ARBは抑制しなかったことから,ACE阻害薬を一次治療とすべきであると考えられる。