編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Kramer CK, Choi H, Zinman B, Retnakaran R: Glycemic variability in patients with early type 2 diabetes: the impact of improvement in β-cell function. Diabetes Care. 2014; 37: 1116-23. [PubMed]

早期の2型糖尿病では,disposition indexを用いて評価したインスリン分泌能が強化インスリン療法によって改善し,その結果,血糖変動性が改善することを明確に示したデータである。
強化インスリン療法によるβ細胞保護は,理論的には,血糖変動の抑制を介して合併症抑制につながると考えられているが,その一端を明確に示した検討であり,興味深い。【綿田裕孝

●目的 早期の2型糖尿病において,短期のインスリン強化療法によるβ細胞機能の改善が,血糖変動性の低下に関連するかを検討した。
●デザイン 横断研究
●試験期間 追跡期間は4週間。
●対象患者 61例:2型糖尿病患者。長時間作用型インスリン製剤insulin detemirと食前の速効型インスリン製剤insulin aspartで4週間のインスリン強化療法を行った症例。
登録基準:2型糖尿病歴7年未満,経口糖尿病薬服薬でHbA1c 5.5~9.0%,経口糖尿病薬非服薬でHbA1c 6.0~10.0%。
除外基準:最近のインスリン治療歴,腎/肝機能障害,悪性腫瘍,慢性感染症。
●方法 1日6回(朝食・昼食・夕食のそれぞれ前と2時間後)の毛細血管血糖の自己測定値の変動係数により,血糖変動性を最初と最後の週に評価した。インスリン強化療法前後のβ細胞機能は,インスリン分泌感受性指数(ISSI)-2を使って評価した。
●結果 最初と最後の週では,55.7%の患者で血糖変動性が低下し,血糖変動性の変化はβ細胞機能の変化と負の関連を示した(r=-0.34,p=0.008)。
多重線形回帰分析では,β細胞機能の変化率(ISSI-2)は血糖変動性の変化と独立して関連する唯一の因子であることが示された(標準化β=-0.42,p=0.03)。さらにISSI-2が25%以上増大した患者は,ほとんど変化のなかった患者と比べて,血糖変動性の低下が認められた(-0.041±0.06 vs -0.0002±0.04,p=0.006)。
●結論 早期の2型糖尿病では,短期のインスリン強化療法でβ細胞機能を改善することによって,血糖変動性を低下させることができる。