編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Targher G, Mantovani A, Pichiri I, Mingolla L, Cavalieri V, Mantovani W, Pancheri S, Trombetta M, Zoppini G, Chonchol M, et al.: Nonalcoholic fatty liver disease is independently associated with an increased incidence of chronic kidney disease in patients with type 1 diabetes. Diabetes Care. 2014; 37: 1729-36. [PubMed]

1型糖尿病において,NAFLDの存在がCKDの発症に関与することを示したデータである。その機序として,NAFLDの大きな規定因子が全身のインスリン抵抗性であるため,インスリン抵抗性を有する例ではCKDが起こりやすいことを示していると考えられる。【綿田裕孝

●目的 1型糖尿病患者において,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が慢性腎臓病(CKD)発症の増大と関連するかを検討した。
●デザイン レトロスペクティブ,縦断的,コホート。
●試験期間 追跡期間は平均5.2±1.7年(~2013年5月31日)。
●対象患者 261例:顕性アルブミン尿を認めない腎機能の保持された1型糖尿病患者。男性116例,女性145例,41±12歳。
登録基準:推定糸球体濾過量(eGFR)≧60mL/分/1.73m2
●方法 超音波検査でNAFLDを評価。CKD発症を追跡。
●結果 ベースラインの平均eGFRは92±23mL/分/1.73m2で,正常アルブミン尿は234例(89.7%),微量アルブミン尿は27例(10.3%)であった。NAFLDを認めたのは131例(50.2%)で,追跡期間のCKD発症は61例であった。
NAFLDとCKD発症リスクの上昇との関連が認められた(ハザード比[HR]2.85,95%CI 1.59-5.10,p<0.001)。
年齢,性別,糖尿病罹病期間,高血圧,HbA1c,ベースラインのeGFRを調整後も,この関連は減弱せず(調整HR 2.03,95%CI 1.10-3.77,p<0.01),さらに,ベースラインの微量アルブミン尿例を除外しても同様であった(調整HR 1.85,95%CI 1.03-3.27,p<0.05)。
従来のCKDリスク因子にNAFLDを追加すると,回帰モデルにおけるCKD予測能が有意に改善された(C統計量:CKDあり 0.79[95%CI 0.73-0.86] vs CKDなし 0.76[95%CI 0.71-0.84],p=0.002)。
●結論 1型糖尿病患者において,NAFLDはCKD発症リスクと強く関連し,NAFLDの評価は,従来の心腎リスク因子とは独立して,CKD予測能を改善した。