編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Althouse AD, Abbott JD, Forker AD, Bertolet M, Barinas-Mitchell E, Thurston RC, Mulukutla S, Aboyans V, Brooks MM; BARI 2D Study Group : Risk factors for incident peripheral arterial disease in type 2 diabetes: results from the Bypass Angioplasty Revascularization Investigation in type 2 Diabetes (BARI 2D) Trial. Diabetes Care. 2014; 37: 1346-52. [PubMed]

PADのハイリスク群である2型糖尿病患者での貴重な解析である。試験開始時にABIが正常であっても,4.7年間に約20%という高率でPADを発症し,従来の心血管疾患のリスク因子はPADのおもな発症予測因子であった。血糖の影響については,HbA1cが1%上昇するとPADのハザード比が21%上昇したことは特筆される。ISで治療を受ける患者とIPで治療を受ける患者とでは異なるリスク因子が示されたことは興味深い。この詳細な機序は不明であるが,ISではチアゾリジン薬が多数の患者で使われており,その抗炎症作用などが動脈硬化の進行を抑制することが関与するのかもしれない。【片山茂裕

●目的 BARI 2Dでインスリン供給薬(IP)ないしインスリン抵抗性改善薬(IS)で治療を受けている2型糖尿病患者において,全体および血糖コントロール治療別に末梢動脈疾患(PAD)発症と心血管疾患リスク因子の関連を検討した。BARI 2Dの二次解析。
●デザイン 無作為化比較試験の二次解析,2×2 factorial,多施設(北米,南米,欧州の49施設)。
●試験期間 登録期間は2001~2005年。追跡期間は平均4.6年。
●対象患者 1479例:BARI 2D試験登録時に足関節上腕血圧比(ABI)が正常値(0.91~1.30)であった2型糖尿病患者。平均61.9±8.0歳,男性72%,黒人15%,喫煙者12%。
●方法 BARI 2Dでは,IS群(チアゾリジン薬,metformin)ないしIP群(スルホニル尿素薬,インスリン)に無作為割付け。本解析では,IS群とIP群のPAD関連アウトカム(ABI≦0.9,下肢血行再建術,下肢切断)とリスク因子の関連を分析。コホート全体のリスク因子と,IS群およびIP群それぞれのリスク因子はCox比例ハザードモデルを使って評価した。
●結果 追跡期間中,303例(20.5%)がPADを発症し,その内訳はABI≦0.9 290例,下肢血行再建術25例,下肢切断13例であった。PAD発症には,年齢,性別,人種,ベースラインでの喫煙の有無が有意に関連していた。さらにベースラインのリスク因子を調整後,脈圧,HbA1c,アルブミン-クレアチニン比には各PAD関連アウトカムとの有意な関連が認められた(いずれもp=0.05)。
IS群とIP群での層別解析を行ったところ,IS群ではBMIの変化,LDL,HDL,収縮期血圧,脈圧が最も良い予測因子で,IP群ではHbA1cの変化が最も良い予測因子であった。
●結論 2型糖尿病の患者では,従来の心血管疾患のリスク因子はPADのおもな発症予測因子であった。層別解析では, ISで治療を受ける患者とIPで治療を受ける患者とでは異なるリスク因子が示された。