編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Margolis KL, O'Connor PJ, Morgan TM, Buse JB, Cohen RM, Cushman WC, Cutler JA, Evans GW, Gerstein HC, Grimm RH Jr, et al.: Outcomes of combined cardiovascular risk factor management strategies in type 2 diabetes: the ACCORD randomized trial. Diabetes Care. 2014; 37: 1721-8. [PubMed]

動脈硬化性疾患の危険因子であり,糖尿病患者では合併頻度の高い高血圧と脂質異常症をどこまで制御すべきかは,重要なclinical questionである。2×2要因配置デザインによるACCORD試験は,これらについて明確な回答を示すことはできなかった。
強化療法を行えば通院回数は増え,費用はかさみ,副作用の頻度は増加する。現時点では著者が結論で述べているように,個々の患者の医学的特性や希望を考慮した,医師と患者によるshared decision makingが必要であろう。【景山 茂
 

●目的 心血管疾患イベント高リスクの2型糖尿病患者において,血糖と血圧または脂質の標準療法および強化療法の組み合わせの効果を比較した。
●デザイン 無作為,多施設(米国およびカナダの77施設),2×2 factorial,intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は2001年1月~2005年10月。追跡期間は平均3.7年。
●対象患者 10,251例:心血管疾患(CVD)イベント高リスクの2型糖尿病患者。40~79歳。HbA1c≧7.5%。
●方法 患者を強化血糖療法群(目標HbA1c<6.0%)あるいは標準血糖療法群(目標HbA1c<7.0~7.9%)にランダム化した後,1)血圧試験:強化血圧療法群(目標収縮期血圧<120mmHg)または標準血圧療法群(目標収縮期血圧<140mmHg),もしくは2)脂質試験:強化脂質療法群(simvastatin+fenofibrate)または標準脂質療法(simvastatin+プラセボ群)にランダム化。
主要アウトカム(CVD死,非致死性心筋梗塞,非致死性脳卒中)および二次アウトカム(全死亡,CVD死,心筋梗塞,脳卒中,大血管障害)に対して比例ハザードモデルを用いて,治療の組み合わせごとの有効性を評価した。
●結果 血圧試験において,主要アウトカムのリスクは,標準血圧群および標準血糖療法群と比較して,強化血糖療法群(ハザード比[HR]0.67,95%CI 0.50-0.91),強化血圧療法群(HR 0.74,95%CI 0.55-1.00),または両方の強化療法群(HR 0.71;95%CI 0.52-0.96)で低かった。二次アウトカムについては,心筋梗塞が強化血糖療法で有意に低下し,脳卒中が強化血圧療法群で減少した。その他のほとんどのHRは,中立または強化療法群のほうが好ましいという結果であった。
脂質試験においては,脂質と血糖の標準療法群と比べて,両者の強化療法の利点は示されなかった。死亡のHRは,標準脂質/標準血糖療法群と比べ標準脂質/強化血糖療法群で1.33(95%CI 1.02-1.74)であった。
●結論 ACCORD血圧試験では,複合標準療法に比べて,強化血圧療法単独または強化血糖療法単独により,主なCVDアウトカムが改善された。ACCORD脂質試験では,強化脂質療法および強化血糖療法は全体としてベネフィットはなく,強化血糖療法は死亡を増加させた。